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2025年06月16日

クルーズ船・欧州旅行記(170)

私は6月5日(木)~15日(日)、11日間、クルーズ船に乗船する欧州ツアーに参加し、昨夜帰国しました(船中7泊)。今回はその件について記します。
出発は6月5日(木)深夜、関西空港発エミレーツ航空機に搭乗し、約10時間の飛行の後ドバイ国際空港(アラブ首長国連邦)に到着しました。同空港で約3時間のトランジットの後、再び同航空の別の便に乗り換え約7時間後、現地時間6月6日13時40分(日本時間6月6日、20時40分)、フランス・ニースに到着しました。到着後約1時間バスに乗車しモナコ観光をした後、ニースに戻りホテルで1泊しました。そして翌朝バスに約3時間乗車しマルセイユに移動、その後、”MSC World Europa”という船名のクルーズ船に乗船し、7泊・8日の船旅が始まりました。寄港地は①フランス・マルセイユ、②イタリア・ジェノバ、③同国ナポリ、④同国メッシーナ、⑤マルタ共和国・ヴァレッタ、⑥スペイン・バルセロナで、寄港しない終日航海が1日ありました。
なお、報道によると、日本は既に梅雨入りしたようですが、今回訪問した各地では明るい太陽の光がふりそそぎ、地中海地方のイメージを象徴するカラッとした晴天と程よい気温に恵まれました。そして船のデッキから見た、地中海の水平線のかなたから昇る真っ赤な太陽から元気をもらい、水平線に沈みゆく日の入りは哀愁的で感動的でした。
さて、この度乗船した船は2022年就航の大型客船で世界最大級のクルーズ船です。総トン数約21万トン、全長333m、幅最大47m、巡航速度22.7ノット(約42.0Km)。乗客定員6,762名、乗組員数2,138名という大型船で、揺れは全くといってよいくらい感じませんでした。そして船内にはレストラン、プール・ジャグジー、バー・ラウンジ、クラブ、カジノ、フィットネスセンター、シアター、船内ショップ等が揃っています。また、シアターやデッキでは毎晩様々なショーやイベント等の催しがあります。クルーのマナーも洗練され満足のいくものでした。また、乗船中に1日はフォーマル・ディナー(正装着用)があり、日によっては服装の色(ドレスコード)が決められました。しかし決して厳密な規制ではなくあくまで遊びで、拘り過ぎる必要はなく乗客は思い思いの扮装で楽しんでいました。
なお、私にとって今回の欧州旅行は2011年11月に関西生産性本部の評議員会議長として20数名の団員を率いてスウェーデン・ストックホルム、フィンランド・ヘルシンキ、ドイツ・フランクフルト訪問して以来14年5ヵ月ぶりのことです。また、フランス、イタリアは実に44年ぶり、そしてスペイン・バルセロナは初めての訪問でした。そして、これまでの訪問はビジネスや仕事上の視察でしたので、今回のような観光目的、しかもクルーズ船による旅は初めての経験で、大変フレッシュな印象もありましたが、戸惑いもありました。
欧州は東欧・西欧、南欧・北欧といった区分がありますが、過去を振り返ると紀元前から戦争の合間に平和があるといった争いの歴史で、今もウクライナとロシアで激しい戦闘が続いています。それは人種・宗教・領土を巡る戦争の繰り返しで、時代によって征服者・統治者が入れ代わり、至る所でその痕跡が残っています。
私は米国に5年半在住し、その後もビジネスで何度も訪れ同国の主要都市は殆ど訪れました。今回訪れた欧州には数千年の歴史と文化がありますが、米国は建国以来僅か250年程度です。米欧間の歴史の長さと奥行きの深さの違いを感じます。欧州人の心の底のどこかに、程度の差があるものの「米国人はさまざな理由で故郷を捨て、新大陸に移り住んだ連中が建てた国」として、さげすむところがあるように思います。逆に米国人にとって欧州人は「力もないくせにプライドだけは強く、格式張りやがって」となり、気持ちのすれ違いを生じさせているように思います。最近のバンス副大統領や、イーロン・マスク氏の言動からもそれを感じとれます。 

■■今回の日程と主要訪問先について:
■日本出発後2日目―フランス・ニース到着後モナコへ:
モナコは地中海に面した小さな国家で、カジノ・ド・モンテカルロやF1の世界選手権モナコグランプリで有名です。高級リゾート地として、洗練されたレストラン、ヨットハーバー、歴史的な宮殿が魅力です。税金面で優遇されることから世界の富豪が集まってくるそうです。今回は時間がなくカジノを覗くことは出来ませんでした(幸い?)。レーニエ3世とグレース大公妃が結婚式を挙げ、そして眠っている墓所のあるモナコ大聖堂や、モナコ大宮殿、エルキュール港(モナコ港)を訪れました。
■3日目朝―フランス・ニースからバスに乗車し約3時間、同国・マルセイユ港へ:
同港でクルーズ船に乗船。夜、イタリア・ジェノバへ出港。
■4日目早朝―ジェノバ入港:
イタリア最大の港湾都市です。12~13世紀にかけ海運共和国として全盛期を迎えました。アメリカ大陸を発見したコロンブスの出身地です。今回5カ所訪問した世界遺産の1番目、チンクエテッレ(5つの村という意味)を観光し夕刻、イタリア・ナポリへ出港。
■5日目正午過ぎーナポリ入港:
紀元前7~6世紀にギリシャ人がネアポリス(新都市)と名付けたことに始まり、ローマ時代を経て、ノルマン人による統治、スペイン総督による支配など、複雑に変遷した為政者のもとで文化的中心地であり続けました。
ナポリ到着後、高速船でカプリ島を訪れました(片道約50分)。この島は古代ローマ皇帝たちが別荘を築いた歴史を持つリゾート地です。夜、シチリア島・メッシーナ向け出港。
■6日目朝―メッシーナ入港後タオミナールへ:この町は東岸標高250mの丘に位置するシチリアを代表するリゾート地でイオニア海に面し、南にエトナ山(活火山)を仰ぐことができます。その後、2番目の世界遺産、ギリシャ劇場を観光。夜、マルタ共和国・ヴァレッタ向け出港。船のデッキから見た夕日に映えるエトナ山は幻想的でした。
■7日目朝―ヴァレッタ入港:
今回3番目の世界遺産である同街(首都)を観光、アッパーバラッカガーデン、聖ヨハネ大聖堂、マルタ騎士団の宮殿を訪れました。今回の旅行中、今まで訪れた中で最も印象に残る街でした。特に聖ヨハネ聖堂の内装及び宗教画は素晴らしいものでした。夕刻、スペイン・バルセロナに向け出港。
■8日目―バルセロナに向け終日航海:
■9日目早朝―バルセロナ着:
同地は1992年にオリンピックが開催され有名になりました。ほかのスペインの街に比べイスラムの影響が少なくヨーロッパ的な街並みが広がる海港都市。名所としては特に今回4番目の世界遺産、サクラダファミリアがあります。1882年に着工し、その翌年に専任建築家に推薦された異才の建築家・ガウディが、1926年に交通事故でなくになって以降、「永遠に未完成」といわれましたが徐々に完成に近づいています。
また、5番目の世界遺産、サン・パウ病院はモンタネールの最高傑作とされるカタルーニア音楽堂とともに1997年に世界遺産に登録されました。夜、フランス・マルセイユに向け出港。
■10日目―マルセイユ入港:
マルセイユからバスに乗車しニースへ向かい、到着後、短時間観光した後空港へ。夕刻のエミレーツ便でドバイ経由帰国の途へ。
■11日目―6月15日(日)、夕刻に2時間遅れで関空着。 

■■船の中ではリラックス出来ましたが、寄港地での船の出港時刻が決まっており、それに追われてかなり強行な日程でした。今回見れなかった名所は他に数知れずで、ほんの一部をかじったという印象です。
旅行中、もう少しこまめに報告しようと考えましたが、昼間は観光、夜船上でのイベントがあり、その上、陸から遠く離れた航路のため通信が全くだめでした。そのため帰国後の報告となりました。今回は大変中身のある旅行でしたが、かなりの体力も必要なことを実感しました。

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