4月29日付「物流ニッポン」紙の5面「ちょっといっぷく」コーナーに『「良縁育む努力」必要』と題して掲載されました。以下に転記しておきます。
「縁は異なもの味なもの」ということわざがある。本来は男女の縁について引用するらしい。それはともかくとして、ある程度の人生経験を積んだ年齢層にとって、この言葉はすんなり受け止められるのではないか。私も縁ほど不思議なものはないと思っている。特に人との出会いとその後の展開は、いくらIT(情報技術)やAI(人工知能)を駆使しても予測できない。
柳生家の家訓に「小才は縁に出会って縁に気づかず、中才は縁に気づいて縁を生かさず、大才は袖すりおうた縁をも生かす」とある。「縁を大事にしろ」という教えだ。
人を知ることにより全く知らない世界の核心にいきなり入っていける。それは人生や事業の方向を変える力を秘めている。自らを省みると人生の節目で人との出会いがあった。その時は偶然と思ったが、後から振り返ると何か目に見えない糸で引き寄せられた、必然的というか運命的と感じる出会いが何度かあった。うまくいった案件や事業については、特にそういう思いが強い。よい縁と思ったらそれを大事にすることだ。
そのためには相手を利用しようと考えるのではなく、誠意をもって接する謙虚な姿勢が大切。経験からいうと、人との出会いで何かを感じたらその人に手紙を書くことだ。よい縁を育むにはそれなりの努力が必要。文章はうまいにこしたことはないが、美辞麗句より大事なことは気持ちが相手に伝わることだ。そして手紙を書くには頭の整理が必要。それが自己を高め潜在能力を引き出すことにもつながる。是非、良縁を大切にしていただきたい。