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2022年11月24日

業界紙コラムに掲載された9回目の執筆文を紹介します

11月22日付「物流ニッポン」紙の4面「ちょっといっぷく」コーナーに『傘寿は人生「8合目」』と題して掲載されました。右側の画像では記事の文字が小さいので以下に転記しておきます。

先月、傘寿を迎えた。「瞬く間にここまで来た」のが実感だ。しかし今や人生100年時代、80歳と言っても登山に例えるとようやく8合目といったところ。もちろん、平坦な道ばかりではなく何度か落石にも遭った。健康面の最大の危機は17年前、心臓が感染症に罹り開胸手術を受けたこと。生きながらえたのは名医と近代医学のおかげだ。

我が国には「賀寿」(長寿祝い)の慣習がある。100歳に到達するには還暦から始まり、古希、喜寿、傘寿、米寿、卒寿、白寿、百寿という8つの関所を通り抜けねばならない。私はようやくその中間点を通過したことになる。上りは大還暦(120歳)だ。これからは勾配が一段ときつくなるだろう。一歩一歩チャレンジあるのみだ。一方、今や我が国は国民のおよそ6人に一人が75歳以上。もちろん長寿自体はめでたいこと。しかし問題はその「質」。厳しい国家財政と、少子高齢化・人口減少で、「バラ色の老後」を政府に期待するのは無理だろう。また高齢者への支援で若い世代の負担も増える。多くの場合、子育て後は親の介護、そして最後は介護される立場。生きている限り「老い」はやって来る。中高年に達したらフレイル(虚弱)の防止に努め、「健康寿命」を一日でも伸ばすことだ。これは「国民的義務」と考える。

昨年、65~69歳の就業率が初めて5割を超え、70歳以上も3割を上回った。「老い」は「気持ち」から始まる。私は今後ともサミュエル・ウルマンの詩「青春」をモットーに、元気である限り極力「老害」を避けつつ、何かの形で社会活動を続けるつもりだ。