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2022年12月21日

業界紙コラムに掲載された10回目の執筆文を紹介します

12月20日付「物流ニッポン」紙の4面「ちょっといっぷく」コーナーに『組織自体は木の仏像』と題して掲載されました。右側の画像では記事の文字が小さいので以下に転記しておきます。

「組織は人なり」といわれる。その通りだと思う。「組織」自体は、いわば「木で造った仏像」のようなもの。そこに血液を流し込み魂を入れるのは生身の「人間」だ。両者は密接不可分であり、組織を改編して「事足れり」では自己満足に過ぎない。それに伴う「人事」が大切だ。

企業では「人事は社長が社員に送るメッセージ」とされる。社員はそこから社長の意図・本気度を見抜く。共感・共鳴すれば組織は活性化し、社員のエンゲージメント(信頼心・愛社精神)も高まる。「究極・完璧な組織」はなく、いずれ制度疲労が生じる。見直してもまた新たな問題が顕在化する。要は各人が弱点を補うよう努めることだ。事業体の規模によっては縦割り・横割り組織が併存し、主導権争いや責任が曖昧になりがちだ。双方のコラボがうまくいけば総合力は高まる。政府レベルでもデジタル庁が早く軌道に乗るのを期待する。なお、IT時代においては社長が「自分の言葉」をネットにあげれば、瞬時にして全社員に伝わる。上からの意思や情報の伝達には、理屈上はフラットな組織で十分だ。

中間管理者は、「中抜き」されぬよう知識・経験・人脈を広げ、「情報に付加価値」を付ける役割が求められる。IT化により上意下達は迅速かつ効率的になった。一方、現場の声は相変わらず途中で目詰まりしやすい。また、サイバー空間での仕事は人間性が失われがちだ。これらをどう克服するかが今後の事業経営の重要課題だ。前職時代、私は平易な言葉で「明るく、楽しく、のびのびと、風通しのよい組織」を目指せと説き続けた.