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2021年08月13日

東京五輪に想う(4)

コロナ禍に加え、酷暑、それに台風の来襲等々、厳しい環境の下に開催されたオリンピックも瞬く間に終わりました。いろいろ意見はあったものの、これまで不安に苛まれながら頑張ってきたアスリートの汗と涙、それに開催自体と、これまで支えてくれた人たちへの感謝の言葉を聞くと、改めてオリンピックの素晴らしさに感動しました。今月24日から始まるパラリンピックも楽しみです。 

今回の大会は始まる前は反対が多数を占めていましたが、はつらつとして華やかな入場式の雰囲気と、日本人選手の活躍、連日の熱戦、そしてフィナーレを目の当たりにし、好感度は急上昇しました。大会の開催はいうなれば、厳しい生活環境の中で、「せめて子供の夢はかなえてやりたい」という親心に通じるものがあったように感じます。そして子供達も親の期待に応えてよく頑張ったという風に、私は政治的意味がどうこうではなく受け止めています。

しかし生活環境そのものは改善するどころか一段と厳しさを増しています。それはオリンピックの好感度上昇とはうらはらに、内閣支持率の低下として表れています。 

このところ4~6月期の企業業績が発表されています。それによると「K字型」(二極化)の様相を呈しています。輸出を中心とした製造業並びに関連業種の好調と、サービス産業(GDPの7割、就業者の6割を占める)を中心とした非製造業の不振です。

また、国際海運や宅配といった「物流」は活発ですが、「人流」は止まったままです。

今後、ワクチンの接種の進捗により景気回復への期待があります。ところがインド型デルタ株が世界的に一段と猛威を振るい、3回目の接種も必要といわれるとトンネルの先が見えません。これでは「V字型回復」どころか「L字型(底這い)」さえ懸念され、先行きへの不安から「リベンジ消費」(抑圧されていた消費の爆発的回復)がいつ、どの程度顕在化するのか不透明になっています。 

なお、会社の業績を左右するのは「天気・景気・やる気」の「三気」とされています。このうち私たちの気持ち次第でどうにか出来るのは「やる気」のみです。

従って、組織として、また個人として、最も大事なことは「やる気」をどう引き出すか、つまり ”Motivation”をどう高めるか、ということになります。さらに世界的に見て少ないとされる我が国の「起業」についても、それに不可欠である「アニマル・スピリッツ」を若者を主に、どう呼び覚ますかが大きな課題です。 

 

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