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2023年10月20日

ちょっと気になる記事・話題(110)

10月も下旬となりましたが、本格的な秋というより何か夏から抜けきれない中途半端な時候です。北海道では雪が積もったと聞きますが、近畿では日中はまだ夏の名残りを感じます。ともあれ、幼かりし頃歌った童謡の歌詞、「更~けゆく秋の夜♪」や「し~ずかなしずかな里の秋♪」にある、いにしえの日本の風情や情緒は、気候変動や都市化でもはや遠いものになってしまいました。 

ところで秋といえば紅葉、かつてニューヨークの北のニューイングランド地方をドライブした時に見た紅葉の美しさは、未だに目に焼き付いています。メープル(かえで)が中心で見事な黄金色になります。ついでにニューヨーク州のニックネームは、”The Big Apple”です。その名の通り、リンゴの州別生産量では全米2位で、紅葉の頃のリンゴ狩りはなつかしい思い出です。 

また、秋はお月見のシーズン。今年の「十三夜」は10月27日(旧暦9月13日)です。9月29日(旧暦8月15日)の「十五夜」に続きます。十三夜は十五夜に次いで美しい月と言われています。近畿地方では今年の十五夜は好天に恵まれ、正に「中秋の名月」でした。十三夜も晴れることを期待して、是非とも月見酒といきましょう。
なお、1970年の大阪万博では、前年に月から持ち帰った「月の石」が話題となり、連日長蛇の列ができました。2025年の大阪・関西万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」ですが、何か子ども・女性を引き付ける目玉がほしいものです。 

その「月の石」に関連してですが、私が27歳の時、人類が初めて月面に降り立ち、宇宙に浮かぶ地球の姿をテレビ画面で見たとき、これで人類の世界観が変わり、ちっぽけな地球上でつまらぬ争いはなくなるのではと期待しました。しかしこれは幻想に終わりました。依然として人種、宗教、領土を巡る争いは無くなっていません。むしろ激化しており世界中で様々な戦争や紛争が起こっています。残念ながら「人間が人間である限り、そして生き物が生き物である限り、争いはなくならない」ということでしょうか。歴史的に見てもヒットラーとか、最近ではプーチンのような狂信的な人物が時折現われます。場合によると習近平もその一人になり得ます。それだけに国家の安寧と存立を揺るがしかねない事態への備えが不可欠となります。 

そして今もイスラエルとハマスとの間で、一触即発、本格的な戦闘が始まろうとしています。ハマスのテロ攻撃の後、米国は直ちにイスラエル支持を明確にしました。それだけイスラエルーユダヤ人脈は米国の政治・経済に強い影響力を有しているのです。「イスラエル・ロビー」は米政界で最強のロビー団体の一つです。バイデン大統領がリスクを抱えながらも現地に赴いたのは、国内世論、ひいては来年11月の大統領選挙を意識すれば当然のことです。
私が米国に在住した当時(1980年前後)、ユダヤの祝祭日は子供たちの学校も休みでした。また米国ではユダヤ系5大財閥―ロックフェラー、モルガン、メロン、デュポン、カーネギーを抜きにして、政治・経済・社会を語ることは出来ません。世界最大の金融街であるウォール・ストリートにもユダヤ系投資家が多数います。また、米国の大学運営は、政府からの補助金よりOBからの寄附への依存が大きいのですが、「反ユダヤ」否定を明確にしない学校には、寄附しないという動きが現れています。 

なお、今回の衝突はロシアがハマスをけしかけたのではないかと思うほど、ウクライナで苦戦しているロシアにとってありがたいことです。この紛争の影響で米国の対外軍事援助は分割されます。その上、ウクライナへの世界の関心が急激に低下しています。米国人の関心はイスラエルに移り、米主要3紙(ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、ウォール・ストリート・ジャーナル)のウクライナをテーマとしたニュース・解説記事数は半減したそうです。日本はこういった国際情勢に対して無力に等しく歯がゆいばかりですが、「侵略は許さない」というJustice(正義)の面からも、鈴木宗男に「ほれ見ろ」と言わせたくないものです。 

■■最近気になったこと:日本の研究力の低下
ノーベル賞の自然科学3賞の発表が終わり、残念ながら昨年に続き日本人の受賞はなりませんでした。日本は2000年以降、米国籍の南部陽一郎氏らを含む20人が受賞しており、受賞ラッシュの状況でした。特に2008年に南部氏ら4人が受賞して以降は、2年連続で日本人が受賞を逃したことはありませんでした。
そして気になるのはわが国の研究力の低下です。文科省「科学技術指標2023」によると、論文の引用回数がトップ10%に入る重要論文数の国別順位で、日本は韓国、イランより下位で過去最低の13位です。1位は中国、2位は米国となっています。
運営費交付金の削減が研究者に身分の不安定化や、研究費申請のための雑務の増加といった形でしわ寄せを受けていると聞きます。
資源を有しない我が国にとって、他国に先駆ける「高度技術開発力」の向上が喫緊の課題です。そのためには研究費の増額が必要です。こういった状況に鑑み政府は昨年3月、世界トップの大学を創出するため10兆円規模の大学ファンド(基金)を創設しました。運用益を活用し将来の研究基盤への長期かつ安定投資を実行することを主眼としています。もちろん近視眼的ではなく長い目で見なければいけませんが、初年度の運用実績は604億円の赤字(運用成績-0.6%)と厳しい船出となりました。
政府はしきりに「貯蓄から投資へ」と、現預金志向の強い国民に投資をPRしていますが、運用にはリスクが伴うのも事実です。
そして、支援対象の「国際卓越研究大学」として、応募した10校の中から東北大学が第1号として選ばれました。研究や組織改革の戦略が総合的に評価されたようです。今後の成果を是非とも期待したいと思います。
なお、昨日、2019年にノーベル化学賞を受賞された吉野 彰氏の講演を聞く機会がありました。タイトルは「リチウムイオン電池が拓く未来社会」でした。その誠実でひたむきに研究に取り組まれる姿勢に強い感銘を受けました。

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