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2023年03月24日

ちょっと気になる記事・話題(85)

侍ジャパンがとうとうやりました。ワールド・ベースボール・クラッシック(WBC)の決勝戦は日本時間3月22日午前、米フロリダ州・マイアミで行われ、日本チームが米国チームを相手に勝利を収めました。安定した投手力と、ここぞという時のホームラン攻勢、その上に後に繋ごうとするチームプレーが優勝に導いたように思います。勿論、忘れてはならないのは各選手の特性をフルに生かした栗山監督の名采配でした。
どの選手も無駄なく個性と潜在力を発揮し、中でも米国社会に溶け込んでいる大谷選手は二刀流の活躍のみならず、チームの士気高揚に驚異的な役割を果たしたことから、大会最優秀選手(MVP)に選ばれたのは当然のことでした。
ところで、決勝戦の前日の対メキシコ戦も逆転サヨナラという劇的な勝利でしたが、試合終了の間際に「岸田首相、ウクライナ首都キーウを訪問」という速報がテレビ画面に現れました。本年5月に広島での開催が決まっているG7首脳会議が間近に迫る中、首相は同会議の議長として「何としても事前に訪問したい」という気持ちが強かったことから、実現してひとまずホットしたことでしょう。それにしても今回改めて感じたことは、緊急事態や複雑な国際情勢に対応する上で、他の先進国と比べ日本の政治メカニズムが極めて曖昧なことと、我が国の法制度とグローバルスタンダードとのギャップです。様々なリスクに対するシミュレーションを行い、迎え撃つ態勢が必要です。また、情報管理と公開の在り方についても、先行したバイデン米国大統領の訪問時と歴然とした違いを感じました。 

■■今週もいろいろなことがありました。
■楽観できない世界経済の見通し:
OECDは3月17日、2023年の世界の実質成長率を2.6%と公表しました。中国の経済再開などを織り込み、前回2022年11月の予測から0.4ポイント引き上げました。国・地域別では米国が1.5%ポイントの上方修正。EU圏も0.3ポイント引き上げ0.8%。他方、中国はゼロコロナ政策解除の効果で0.7ポイント上方修正し5.3%としました。日本については逆に0.4ポイント下げ、1.4%成長と引き続き厳しい見方をしています。
しかし現下の経済の実態をみると上方修正は少し楽観的のように思います。米欧では引き続きインフレ抑制のため政策金利の引き上げが続き、半ば強制的に景気を冷やす金融政策をとっています。
そして世界経済のけん引役として期待されている中国では、GDPの約3割を占める不動産業界が未だ不況から脱却しておらず、そして地方政府も財政問題を抱え大規模な景気刺激策は取りづらい状況です。そのため生産活動の回復は緩やかで雇用の回復も遅れています。そういったことから国民の節約志向は強く、春節明け(1月末)から再開が期待された日本へのインバウンド客も団体旅行が解禁されていないことも手伝い、目下のところ低調です。
また、米国、スイスで銀行の破綻が相次ぎ、世界的に金融システムへの不安が生じています。そのため国際商品指数は低迷しています。例えば原油はロシアからの輸出が制裁により減少しているにも関わらず、世界的に需要が低迷していることから、価格は約1年3ヵ月ぶりの安値圏にあります。米国産原油の先物は70ドル/バーレルを割っています。ニッケルや銅・アルミといった非鉄金属の価格も軟調に推移しています。中でも銅は「ドクターカッパ」(Doctor Cupper)と称せられ、その価格動向は経済活動を示す代表的な「指標とされています。一方、金融不安を反映し「安全資産」としての「金」に資金が流入し、価格は2020年8月に付けた最高値2089.2ドル/トロイオンスに迫っています。
国際物流の動きを見ても生産活動の落ち込みが鮮明です。2月末に積載貨物量減少で運航を停止したコンテナ船の比率はコロナ禍前の3倍になっています。また、国際航空貨物も本年の輸送量は前年比で4%減ると予測されています。12月の日本発航空貨物輸出量は前年同月比24%減少しました。通年でも前年比13%減となりました。貿易統計によると日本からの輸出は数量ベースでは落ち込みが目立ちます。そして1月の内航船輸送量は前年同月比3%減少しています。減少は3ヵ月連続で、鉄鋼等基礎産業資材の動きが鈍っていることを示しています。政府も3月の月例経済報告で、生産の判断を3ヵ月ぶりに下方修正しています。なお、国内では依然として賃金の目減り(物価高に賃金上昇が追い付かない)状態が続き、個人消費は生活防衛を反映して不振が続いています。
以上のように世界経済・生産活動は低迷する中で、インフレ抑制のための利上げが続いており、このままではスタグフレーション(不況下のインフレ)に陥ることを懸念する見方も出ています。これから1~2年は国内外の政治・経済情勢は厳しいことが予想され、想定外のリスクも多数存在することから、企業経営に当たっては緊張感をもって臨むことが求められます。 

《追記》先日の新聞に米航空宇宙局(NASA)が、新たに見つかった小惑星について、23年後の2046年2月に数千分の一の確率で、地球に衝突する恐れがあると公表したという記事がありました。小惑星は直径約50mで「2023DW」と名付けられ、2046年2月に地球から約300万Kmの距離に接近するとのこと。因みに地球と月の距離は約38万Kmですから、それよりはるかに遠いことになります。なお、3月17日時点では衝突リスクは3600分の一となり、警戒レベルは引き下げられて、ゼロだそうです。加えて、地球に大きな影響を及ぼしそうな小惑星が見つかった場合に、軌道を変える研究開発も進んでいると報じられています。
こういったように、宇宙のはるかかなたの天体の動きについては、驚異的な精度で予測されていることを聞くにつけ、なぜ足下の地下数十キロ(東北地方大震災の深度は約24Km)の、地層・断層構造のメカニズム解明が進まないのか。そして、それにより地震予知がもっと進むことを優先してほしいというのが私の願いです。

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