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2022年12月02日

ちょっと気になる記事・話題(70)

いよいよ師走に入りました。木枯らしが吹き初雪の便りを聞くと、何となく慌ただしさとともに、「やり残したこと」がやたらと頭に浮かびます。毎年この時期になると一種の焦りを感じ、そして新年を迎えると「今年こそは」というパターンを繰り返しながら今日に至っています。なかなか思うようには行かないものです。確かに若いうちは「あれもこれも」と夢を描いたように思います。しかし今後は欲張らず、二つかの三つの実現性のあるものに絞り、確実に具体化を目指すことにしようと考えています。

■■今週もいろいろ考えさせられることがありました。
■中国、江沢民・元国家主席逝去に関連して:
私はこれまで中国を30回以上訪問しました。最初は1966年から10年間、中国で吹き荒れた「文化大革命」が終わった直後の1976年11月でした。私は当時34歳。広東省広州市で毎年春・秋に開催される広州交易会の商談に参加するためでした。中国側のタフな交渉姿勢を肌で感じたことを思い出します。その後の訪中で最も印象に残っているのは、天安門事件の前年の1988年12月、当時、自由民主党国会議員で国際貿易促進協会会長であった、桜内義雄先生(故人)を団長とする訪中団に参加した時です。その際、人民大会堂で鄧小平国家主席(当時84歳)に謁見しましたが、同時に江沢民・党中央軍事委員会主席(当時63歳)にも表敬する機会がありました。記憶では相応の雰囲気と存在感があった人物だったように思います。その後同氏は1993~2003年、国家主席を務めました。
天安門事件を契機として、中国は共産党による専制政治を一段と強めたように思います。そしてその礎を築いたのが鄧小平氏を引き継いだ江沢民氏でした。
私の印象では同氏は米国に対しては憧れと敬意を持っていましたが、日本に対しては対中侵略を引き合いに警戒心を緩めず、極めて厳しい姿勢を維持し、「愛国教育」「富国強兵」路線を進めました。しかしここ数年は習近平政権の下、鄧小平ー江沢民氏の「改革開放」による経済成長中心から「歪の是正」(共同富裕)に修正されつつあり、同氏の影響力は徐々に削がれてきました。ただ中国では共産党絶対主義と覇権主義は一段と色濃くなりつつあるように思います。
それにしても初めて中国を訪問して以来50年近くが過ぎましたが、その間、中国の経済発展が目覚ましいことは万人の認めるところです。GDP(国内総生産)では2010年に日本を抜き世界2位となりました。最近はゼロコロナ政策で減速していますが、人口規模(米国の約4倍、日本の約12倍)からして、いずれGDP規模で米国を抜くことはほぼ間違いないでしよう。
この約50年間の日中の産業政策を省みると、中国はいうなれば社会主義的・資本主義、一方、日本は資本主義的・社会主義のような政策をとってきたように感じます。つまり中国は国営企業を中心とした国策を進めたのに対し、我が国は中小企業が我が国経済を支えるという基本政策をとってきました。そのためある程度の規模の企業に再編・淘汰する政策が欠如していたように感じます。結果として我が国では現在、421万社の全企業者数の99.7%、そして従業者数の7割を中小企業が占めるといった乱立状態にあります。他の先進国と比較すると、いずれの比率も高いと聞いています。これが生産性の向上や技術開発力、DX化、国際化、人手不足対策、人材育成といった総合的な産業力・国力向上に支障をきたす一因となっているように感じます。ゾンビ企業も多数存在します。「毛利家の教え」から学ぶまでもなく、そして限られた人的・物的資源を最大限有効活用するためにも、ある程度の企業規模に束ねることにより、「下請け的」な殻から抜け出し、競争力と交渉力を高める必要があるように思います。そうでないと「リスキリングによる人材の高度化・産業間移動」も難しいのではないでしょうか。様々な異論があるかと思いますが、以上は私の独断と偏見による見立てです。

■人手不足が顕在化:
10月の有効求人倍率が1.35倍となり、前月比+0.01ポイント増となりました。上昇は10ヵ月連続です。産業別では、宿泊業、飲食サービス業が最も伸び率が高く、前年同月比29.3%増となりました。いわゆるサービス産業の我が国産業に占める比率は年々増加しており、経産省によると今ではGDPのうち約7割、就労人口の同じく約7割を占めています。そのためコロナ水際措置見直しに伴う入国制限緩和により、増加が見込まれるインバウンド客への対応に不安が生じています。人手不足を反映しアルバイトの時給も3ヵ月連続して過去最高となっています。ロボットの導入も進んでいますが、まだまだ万能ではありません。米国でも同様で、マクドナルドの従業員の時給が30ドル(円安を反映し4000円超)と聞きました。人件費の上昇がインフレの最大の要因となっています。自由主義・市場経済においては、「モノの値段は需給によって決まる」ことを象徴しています。我が国でも今後、不況下のインフレ(スタグフレーション)が現実味を帯びてくることが懸念されます。

《追記》サッカーワールドカップの決勝トーナメント進出を決める対スペイン戦で、日本が2-1で勝利しました。森保監督の対ドイツ戦と同じ基本戦術が的中しました。日本中を沸き立たせ、元気づける勝利でした。本当に勝負は紙一重。先日、ラジオで聞いたのですが、某有名選手がかつて、「強い者が勝つのではない。勝った者が強いんだ」という言葉が頭に浮かびました。これからも是非、一戦、一戦頑張ってほしいと期待しています。

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