ブログ

2022年01月07日

新春雑感(27)

新年、明けましておめでとうございます。本年も何卒よろしくお願い申し上げます。今年のお正月は大きな事故・災害もなく平穏であったことは何よりでした。昨年6月末まで40年近く、物流業界に身を置きましたが、当時の仕事始めは、先ず年末・年始が無事故・無災害であったかを確認することでした。未だに気持ちはこの領域から抜け切れません。なお、今の時期は寒冷地では雪害により道路が寸断されたり、各地で事故や渋滞が発生するリスクが高まります。このような中で、エッセンシャル・ワーカーと位置づけられるトラック・ドライバーが、「くらしと経済を支えるライフ・ライン」としての役割を全うするため、日夜、必死に頑張ってくれていることを忘れないようにしたいものです。

さて、国内外に目を拡げると、残念ながら今年も新年の最大のトピックスは、コロナ・ウイルスの感染問題で、変異したオミクロン株が瞬く間に全世界に広がっています。そのような中で、北京オリ・パラリンピックの開幕が一カ月後(2月4日)に迫っています。なお、米国の調査会社ユーラシア・グループは、本年の世界の「10大リスク」の筆頭に、「中国のゼロコロナ政策」の失敗で、世界経済や各国の政情が不安定化する事態を挙げています。

さらに、2番目のリスクとして、「巨大IT企業の影響が強まる世界」を指摘しています。新聞報道によるとアップル社の時価総額が3兆ドル(約350兆円)に達し、同社一社だけで東証一部上場企業(2182社)の時価総額、約734兆円(昨年12月30日時点) のほぼ半分に迫るとしています。そしてこれら5社の時価総額を合計すると10兆ドル(1150兆円)を超えます。世界のカネが米国へどんどん流れ込んでいるのです。もちろん数々の危うい要素もあります。しかし今日まで30年の間に米国の名目GDPは約4倍増加したのに対し、我が国は1.4倍に止まります(平均年率1%成長でも30年で1.4倍となります)。そして株価は米国(NYダウ)の約10倍上昇に対し、日経平均株価(2021年12月21日、28,791円)は、過去の最高値(1989年12月29日、38,915円)を未だ26%下回っています。

これだけ日米間に差が生じた大きな理由は、GAFAM(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル、マイクロソフト)に象徴される情報・先端技術企業(IT、AI、DXなど)の存在と、こういった産業を創出する潜在力の有無です。今我が国にとって大事なことは、国内外の公的評価で「もはや日本は世界の一流国と言えない」ことを謙虚に受け止め、政・官・財・民とも意識改革を図り、人材以外に資源のない我が国が、今後、国際社会でどう生き抜き、国力と生活を維持するか真剣に考えるべき時機です。

それと私が非常に気になるのは、本年7月の我が国の参議院選挙もさることながら、ユーラシア・グループがリスク3位に挙げている本年11月の「米国議会の中間選挙」です。現在は民主党が上院(50+議長票1対50)、下院(221対213)と僅差ながら過半数を占めています。次の選挙では上院の三分の一、下院の全議席が改選されます。

目下のところバイデン大統領(民主党)にとって厳しい逆風が予想されています。そして、もし民主党が過半数を失うと、政権側が提出するほとんどの法案は成立の目途がたたず、大統領の残り約2年の在任期間はレームダック(死に体)化します。これにより米国内のみならず、国際政治・経済・安全保障に深刻な影響が懸念されます。

さて、今年は私にとりまして80歳の大台に乗る節目の年。これからも元気である限り、フリーな立場で、サミュエル・ウルマンの「青春」の詩の一節を忘れず頑張っていく所存です。引き続きご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。 

その他のブログ