ブログ

2022年08月05日

最近のニュースを通じて想うこと(55)

最近の世の中の動きを見て感じたことを記します。

■地球温暖化による世界的な異常気象:
コロナの第7波来襲に加え、連日記録破りの猛暑で熱中症が多発しています。それに「戻り梅雨」というには激しすぎる記録的な豪雨が各地を襲い、大きな被害が出ています。我が国ではこれに火山の噴火と、毎日のようにどこかで発生する地震が加わり、正に世界最大の「災害多発国」といえます。
一方、米国では記録的な酷暑により冷房需要が急増し、天然ガスの価格が高騰しています。また菜種も不作が懸念され4割高になっています。そしてネバダ州とアリゾナ州では、全米最大の貯水湖であるミード湖の水位が下がり、2500万人近い米国人への飲料水の供給が危ぶまれています。また、カリフォルニア州では大規模な山火事も頻発しています。
欧州でも7月中旬、広い範囲で猛烈な熱波に見舞われ、ポルトガルでは7月14日に最高気温が摂氏47度に達したほか、スペインでも45度を記録し、両国で7月17日までに高齢者を中心に1000人以上が死亡しています。
また、先進国のみならず新興国に於いても、WMO(世界気象機関)によると、5月中旬にはインド各地で45~50度を観測しました。パキスタンも50度に達し、山岳地帯で氷河が決壊しました。
気象変動に関するIPCC(政府間パネル)によると、世界の平均気温は産業革命(1760~1840年)前に比べ、すでに1.1度上昇しています。気象庁のデータでは日本の上昇幅は1.5度になります。IPCCは2021年8月の報告書で、50年に一度の熱波の起こりやすさが4.8倍に、農業や生態系を脅かす干ばつが1.7倍になったと推計し、各国に警告を発しています。
このように地球温暖化の悪影響は世界中で、様々な形で顕在化しています。しかし折角機運が盛り上がっていたCO2削減に向けての動きも、原油価格の高騰や、ロシアのウクライナ侵攻により天然ガスが不足し、石炭を燃やす火力発電の比重が高まっています。今は異常事態下にあるとはいえ、地球温暖化対策は待ったなしです。

■米国議会、ナンシー・ペロシ下院議長が台湾を訪問
米国政府で大統領、副大統領に次ぐNo.3の高位にあるナンシー・ペロシ下院議長(82)が賛否両論渦巻く中、台湾を訪問し蔡英文総統と会談しました。さすが米国、「脅し」には屈しないシグナルというのが私の印象です。この度の訪問は米中間、ひいてはアジアのみならず世界の不安定化をもたらすとの見方もありました。しかし外交はいわば「チキンゲーム」というか、ギリギリのせめぎ合いです。ひるんだ方が負けです。特に最近の中国は覇権主義・拡張主義(帝国主義)の様相を呈しており、アジア海域のみならず太平洋の島嶼国にも触手を伸ばしています。さらに「一帯一路」を旗頭に東アジア、アフリカにも勢力拡大を企てています。今回の中国側の対応を見ても、前回の緊張時(1996年)とは明らかに異なり、軍事大国としての顔を見せています。アジア諸国はそれぞれの国益を基に、米中との距離感がグラグラしており、この度、米国が毅然とした態度を示したことは評価すべきと考えます。ただ、今後、中ロがますます接近し、全体主義・専制主義対自由主義・民主主義の対立が先鋭化すると思われ、世界経済・社会の先行きは一段と不透明になっています。米国一強から二極、三極に分裂・対立する世界情勢の厳しい現実を見極め、我が国も「一国平和主義」といった幻想から抜け出さざるを得ません。

■米国、アルカイダの指導者を殺害:
米国政府は2001年9月11日の同時テロを実行した、国際テロ組織「アルカイダ」の指導者アイマン・アル・ザワヒリを、無人機によるミサイルで殺害したと発表しました。同容疑者は、同テロの首謀者で2011年に殺害されたウサマ・ビン・ラディン容疑者の後継指導者でした。執拗にターゲット(敵)を追う米国のインテリジェンス(諜報機関)の凄さと、ハイテク兵器(無人機)の威力を感じました。「テロの犠牲者の仇をとる」、「政治目的の人質を救出する」ことを、米国政府は国家の義務と考えているようです。今回の事件を通じ私はかつて見た映画、「プライベート・ライアン」(一兵卒の救出劇)を思い起こしました。

《追伸》コロナで中断していた「青森・ねぶた祭」が3年ぶりに開催されました。テレビを通して踊る人たちと観客の明るい表情を見ますと、やはり「祭り」は日本人にとって「かけがえのない文化」であることと、「地域力の源泉」という気がします。
4年前の8月、東北4大祭り~「青森・ねぶた祭」、「秋田・竿燈(かんとう)まつり」、「山形・花笠まつり」、「仙台・七夕まつり」~のツアーに参加しました。いずれも感動的で素晴らしかったのですが、中でも小さな子供が重い「竿燈」を、一生懸命操る姿は印象的でした。これまで「阿波踊り」や「越中おわら風の盆」、「岐阜・郡上(ぐじょう)おどり」、「熊本・山鹿灯籠まつり」等を訪れました。他にも全国各地に伝統的な祭りが数多くあります。国内旅行の楽しさを見直し、今後も可能な限り見て回りたいと考えています。

その他のブログ