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2022年09月09日

最近のニュースを通じて想うこと(59)

■台風シーズンの到来:
早くも9月も中旬間近です。日中の残暑は相変わらず厳しいですが、朝夕は秋の訪れを感じます。それとともに台風シーズン、先日の台風11号の本土直撃は避けられました。ところが新たに発達中の熱帯低気圧が近々台風12号に変わるようです。何となく今年は台風が多いような予感がします。

■人災による悲劇が再び発生:
台風はいわゆる天災の一つです。この来襲を防ぐことは至難です。ところが避けられるはずの人災が残念なことにまた起こりました。それは9月5日、静岡県牧之原市のこども園で園児が送迎バスの中に置き去りされ、死亡した事故です。類似の事件が約1年前に福岡県中間市の保育園で発生しましたが、その記憶が未だ消えやらぬ間の再発です。原因に降車時の「確認が不十分」だったことが指摘されています。ほんの数秒で子供の数の確認や社内点検は出来た筈です。ところがそれを怠った。それで尊い命が奪われたのです。運転手を務めた園長ともう一人添乗員が同乗していたとのことですが、お互いに相手が確認しただろうという「思い込み」があったと思われます。防げる筈の事故には必ず、「ヒューマンエラー」が何らかの形で関わっています。そしてその背景には「マンネリによる気の緩み」があります。
事故は一瞬の隙を突いてきます。前職時代、幾たびか事故の報告を受けました。その際、関係者から「あれだけ注意するよう言っていたのですが」と、言い訳がましい報告がしばしばありました。私は「そう言って気が済むならそれでよい。しかし例え何万回言っていたとしても事故発生時、当事者が指示通りやっていなければ、その指示は何の意味もなかったに等しい」と諭しました。つまり聞く際は指示・注意事項を「聞いているフリをしている」ことが多いのです。残念ながら事故の防止には「性悪説」に立たざるを得ません。その前提で、日々新たな気持ちで、手を変え品を変え、工夫しながら「マンネリに陥るのを防ぐ」ことが必要です。

■9月6日、英国首相にトラス氏を選出:
辞任を表明したジョンソン首相の後任に、与党・保守党党首リズ・トラス氏が就任しました。英国史上3人目の女性首相の誕生です。我が国では前例がありませんが、英国ではもはや珍しくもありません。やはりイギリスは議会制民主主義の原点という気がします。首相は下院(日本の衆議院)の第一党党首が国王により任命されます。
振り返ると、米国では2008年にオバマ大統領が誕生しました。選挙戦では黒人初の大統領候補ということで熱狂的なブームが沸き起こりました。そして2016年の大統領選挙ではクリントン候補が大方の予想を裏切ってトランプ候補に敗れました。クリントン氏は「ガラスの天井を破れなかった」と言いました。本来なら女性初の大統領誕生ということでもっと盛り上がった筈です。ところがブームは起こらなかった。私は選挙戦の年、春先にワシントンを訪れました。その時耳にしたのは意外にも「トランプは嫌いだけど、クリントンはもっと嫌い」という女性の声でした。これに従うと「女性だから負けた」のではなく、彼女が「米国大統領としての資質に欠ける」と国民が判断したのです。因みに現副大統領はハリス女史で黒人です。もしバイデン大統領に何か異変が起こると、国民は自動的に彼女を大統領として受け容れることになります。
翻って我が国の国勢レベルでの女性の参画の現状は、衆議院議員は総数465名のうち女性議員数は47名(9.7% )です。一方、参議院議員は総数248名のうち64名(約25.8%)で過去最多とはいえまだまだ少数です。こういったことから、世界経済フォーラム(WFS)が公表した、2022年版「ジェンダーギャップ指数」の、政治分野における日本のランキングは146カ国中139位と低位です。
我が国で「女性であること」が話題にされるのではなく、「首相としての資質」によって、結果的に「女性首相が誕生」するのはいつになるでしょうか。

≪追記≫今週は年1回の人間ドックを受診しました。血液採取、血圧測定、身長、体重、視力、聴力、胸部レントゲン、MRI、CTスキャン、内臓エコー、胃カメラ、それに認知症テスト、これだけ盛沢山なメニューを半日で済ませるのは、いささか疲れます。ドック受診を始めたキッカケは16年前に心臓の手術を受けたことです。今は単に「長生き」が目的ではなく、生きている限りは元気でいたい、つまり「健康寿命」を伸ばしたいのでドック受診を継続しています。

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