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2022年09月30日

ちょっと気になる記事・話題(61)

■来週、傘寿を迎えます:
早いもので今日で9月も終わり、それとともに私も「70代よ、さようなら」です。来週はいよいよ傘寿(80歳)を迎えます。さすがに「とうとうここまで来たか」という気持ちになります。「光陰矢の如し」とは言いますが、振り返りますと70代も瞬く間に過ぎ去り、些か寂しさを感じるのは事実です。さはさりながら、私は来週以降は年齢を聞かれたら、「当年(10年)取って、70歳です」ということに決めています。周りをみると歳を感じさせない「元気老人」が珍しくありません。

先日の新聞に、今年の「敬老の日」(9月19日)時点で、全国の100歳以上の高齢者の数が90526人と初めて9万人を超え、52年連続で過去最多を記録したことが報じられていました。うち女性の占める比率が89%と圧倒的多数です。国内最高齢者も女性で115歳、男性の最高齢は111歳です。こういう方々からみると80歳なんかまだ「若造」の部類でしょう。ただ何といっても大事なことは健康で、出来るだけ人手を煩わさず老後を過ごすことです。そのためには1年でも1日でも「健康寿命」を伸ばすように努めることが大切だと肝に銘じています。
1990年代に「きんさん・ぎんさん」という、ともに100歳を超える長寿の姉妹が人気を博しました。あるテレビ番組に出演した際、「出演料は何に使いますか」と訊かれ、「老後に備えます」と応じた、元気でほほえましいジョークに「理想の老後像」を感じました。 

なお、総務省の推計によると、高齢者(65歳以上)の集計人口は3627万人(前年比+6万人)、総人口に占める割合は29.1%と、いずれも過去最高を更新するとともに、その比率は世界最高です。また、75歳以上の人口は前年比72万人増の1037万人で総人口の15.5%と初めて15%を超え、国民のおよそ6人に一人が75歳以上となりました。加えて働く高齢者の数も増えており、2021年の65~69歳の就業率は初めて半数を超え50.7%になりました。やはり、元気である限り、何らかの形で社会に参加することは、心身の老化防止のためにも非常に大事なことだと思います。

■日中国交正常化50周年:
9月29日(木)、日中国交正常化以来50年の節目を迎えましたが、現在、両国関係は冷え込んだ状態と言わざるをえません。私は1942年に上海で生まれ、その後も断続的に中国とのビジネスに関わり、正確には数えていませんが30回くらい訪中したと思います。合弁事業もいくつか立ち上げました。うまくいった案件もあれば失敗に終わったものもあります。この50年、中国は目覚ましい発展を遂げ、経済的にも軍事的にも世界の大国となり、米国内で「中国脅威論」が台頭する国家にまで成長しました。
なお、私は出生時を除いて、最初の訪中は1976年11月の広州交易会への参加でした。また、これまでの訪中で最も印象に残っているのは1988年12月(天安門事件の前年)に、自由民主党・桜内義雄先生を団長とする国際貿易促進協会の訪中団に随行した際、鄧小平国家主席(当時84歳)に謁見したことです。会談の話題はいろいろありましたが、もっとも印象に残っているのは、同主席が中国の目覚ましい発展について触れ、「今や我が国で食うに困る人民は6000万人程度だ」と言われたことでした。私の頭に咄嗟に浮かんだことは「日本の人口の半分くらいが飢餓状態か」でした。ところが中国の当時の人口約12億人からすると僅か5%、つまり20人に一人ということで、納得のいく数字です。この件を通じ私は、「所詮、人は自分の物差しでしかモノを観ない」ことを思い知らされました。改めて私の中国観を変えた点で、国家主席への謁見は大変有意義だったと思っています。今もその際の写真を部屋に飾っています。

≪追記≫9月27日(火)、午後、安倍元首相の国葬が執り行われました。私はここで国葬の是非について論ずるつもりはありません。実際、安倍さんについての評価は大きく割れています。「森友・加計問題」や「桜を観る会」、それに結果的に命を奪われる要因となった「統一教会問題」は未だ解明されないままです。因みに首相時代の支持率調査によると、「支持しない」とする最大の理由は常に「人柄が悪い」でした。
確かに一般の民間人の間では「好きか嫌いか」という次元での評価で済むかも知れません。しかし国政レベルでの評価はそうはいきません。特に外交については複雑な国際情勢の下で、我が国のあり方を俯瞰し、それを政策として実行することが求められます。それには「したたかさ」が不可欠です。その点で安倍さんは卓越した手腕を発揮したことは事実です。勿論、北朝鮮問題や、ロシアとの関係は未解決のまま残りました。しかし何よりも、あの「アクの強い」米国・トランプ大統領とうまく折り合ったことは安倍さんしかできなかったと思います。そして今、米国では再びトランプ氏の登場の可能性が喧伝されています。まだ紆余曲折があり実現は簡単ではないと思いますが、これはわが国にとってリスク要因の一つと言えます。そして、今後は過度に個人の手腕に頼らず、組織的な外交をどう進めるかが大きな課題と考えます。

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