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2023年04月07日

ちょっと気になる記事・話題(87)

春の選抜高校野球も終わり、関西では春爛漫の中で咲き誇っていた桜も今や葉桜となりました。桜前線はどんどん北上中で、早くも東北地方に達しています。以前訪れたことのある青森県・弘前城や秋田県・角館(かくのだて)で観た美しいシダレザクラを思い出しました。先週の米国メジャーリーグ開幕と同時に、日本でもプロ野球が始まりました。そしてプロゴルフも今週木曜日からメジャー初戦のマスターズ・トーナメント(米国ジョージア州のオーガスタ・ナショナルG.C.)が開催されます。長かったコロナ禍もほぼ終息し、いよいよスポーツのシーズン到来といったところです。長期化するウクライナ情勢やインフレ、それに世界のリーダーであるべき米国の政治・経済が不透明といったこともありますが、せめてスポーツからでも景気に「活」を入れてもらいたいものです。 

■■この一週間もいろいろなことがありました。
■米国、トランプ前大統領を起訴:
4月4日、ニューヨーク州の大陪審に起訴されたトランプ前大統領は、ニューヨーク市内の裁判所で罪状認否に臨み、起訴された罪状を予想通り全て否認しました。裁判は今後長期化が予想され、来年秋の次期大統領選挙への影響がどうなるかが関心を集めています。しかし例え有罪となっても米国の法律では、犯罪歴は憲法上、大統領選挙に出馬することへの妨げとはならないと聞きます。日本では法制上どうなのか知りませんが、常識的に考えられないことです。
トランプ氏はMAGA(Make America Great Again)を大統領選挙のスローガンに掲げています。今回のことを以てしても共和党内では依然として、他の取り沙汰されている有力候補者より支持率は高いようです。しかし仮に共和党内で大統領候補にノミネートされても、全国民を相手とする本戦で勝ち抜くことは至難なことです。昨年の中間選挙でも下馬評では共和党が、上・下院とも圧倒的に勝利するとされていましたが、蓋を開けると上院は民主党が勝ちました。最後は米国民の「民主主義を守る」という良識が機能したといえます。
それにしてもトランプ氏のような人物になぜ相当な数の熱狂的な支持者がいるのか。これはやはり米国の複雑・多様というか、分断する社会を反映しているのでしょう。中でも最大の問題は格差拡大です。世界不平等データベースによると、米国の上位10%の高所得層が国民所得に占める比率は、1989年の38%から2019年に45%へと上昇しました。逆に下位50%は17%から13%に細っています。また、OECDによると、所得格差を表すジニ係数(2018年時点)は米国0.39で最も深刻です。因みに、英国0.37、日本は0.33です。そのほかにも根強い人種差別や保護主義があります。いずれにせよ、トランプ氏のような劇場型で行き当たりばったり、そして予測がつかない独断的な動きをする人物が世界を動かすことは大きなリスクです。欧州諸国の本音も「それだけは止めて」と言わんばかりに戦々恐々といったところです。唯一例外的にトランプ氏の大統領復帰を密かに期待しているのはプーチンでしょう。 

■物流業界ートラックドライバーにとっての2024年問題:
このところにわかにこの問題が主要紙、マスコミを賑わし、国会審議でも採り上げられています。「働き方改革法」により、2024年4月からトラックドライバーにも年960時間の時間外労働上限規制が適用されるとともに、運行のルールも現行より厳しくした「改善基準告示の改正」が背景にあります。本年1月のトラックドライバーの有効求人倍率は2.59倍と上昇基調が続いています。同時に高齢化も進んでいます。このままではトラック輸送能力に支障を来すことが懸念されています。
労働時間短縮に焦点を合わせると、事業者としてはこの問題への対応として、①「仕事のやり方を根本的に見直し、生産性を上げ時間短縮を図る」、②「ドライバーの数を増やす」、③コンプライアンス順守のため「労働時間規制に見合う水準まで仕事量を減らす」、④下請け・協力会社を活用する」等が考えられます。
なお、賃金等労働条件の改善には「適性運賃」の収受が最重要事項で、「働き方改革」の成否を占う一丁目一番地に位置づけられます。ところが燃料費の高騰等、コストアップを運賃に転嫁するのに四苦八苦している事業者が多いのが実態です。
一方、ドライバーサイドの本音は、「労働時間の短縮は結構だが収入が減るのは困る」てす。インフレが進行し生活費がかさむ中で、家族を養い生活レベルを維持するには何とかして収入を維持し、出来れば増やしたいと考えるのは当然です。もしこの点について事業者が明快な回答を出来なければ、①ますます若者の確保が難しくなる、②ドライバー、特に中高年は転職、或いは解禁・緩和に向かいつつある副業・兼業や、ギグワーカーに転ずる、或いは③労働時間規制を守らないブラック企業へと流れること等が懸念されます。従って、大手事業者の場合は別にして、中小・零細事業者が圧倒的比率を占める業界で、法律改正の本来の主旨である個々のドライバーの総労働時間の短縮、賃金等労働条件の改善に結び付くか注視する必要があります。 

《追記》(株)クラレは毎年4月、小学1年生を対象に就きたい職業についてのアンケート結果を公表しています。今年の調査結果によると、上位3位は男の子は①警察官、②スポーツ選手、③消防・レスキュー隊でした。そして女の子は①ケーキ屋・パン屋、②芸能人・歌手・モデル、③花屋、でした。
これを6年前の調査と比べますと、男の子は①スポーツ選手、②警察官、③運転士・運転手でした。一方、女の子は①ケーキ屋・パン屋、②芸能人・歌手・モデル、③看護師という結果でした。
男の子は「警察官、スポーツ選手」、そして女の子は「ケーキ屋・パン屋、芸能人・歌手・モデル」が常に1位、2位です。男の子は「かっこよさ」と、女の子は「かわいさと夢を追う姿」が感じられます。子ども時代の夢はいつまでも大切にしてほしものです。

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