5月の連休、通称「ゴールデン・ウイーク」も瞬く間に過ぎ去り、何となく今年も後半戦に入ったような気になります。正に「光陰矢の如し」とともに、「少年(ではなく今や老人ですが)老いやすく学成り難し」、「小人閑居して不善をなす」といった自虐的な格言が次々に頭をよぎります。後半戦に向け気持ちを新たにしているところです。
なお、5月8日に3年余にわたるコロナ感染に関する諸規制が緩和され、これまでの「2類感染症」から「5類」に移行されました。これに伴い外国からのインバウンド客も急激に増え、街中にも賑わいが戻ってきました。長期間にわたったマスク着用も今後は個人の判断となりましたが、習慣とはおそろしいもので、未だに外出時はマスクを携行・着用しています。周りをみてもまだ100%近い人たちが同様のようです。ただ、現在も全国で毎日1万人前後の新規感染者が発生し、何人かの重症者や死者が発生していることも忘れてはならないと思います。
さて、一昨年の7月に「辻事業サポート事務所」を開設以来、毎週金曜日(祝日除く)にブログを更新・掲載してきました。原則として今後ともこのペースを保ちたいと考えています。なお、明日、5月11日(木)から約10日間、4年ぶりに米国に出掛けるので、この2週間ほどはイレギュラーなブログ配信となります。
■G7広島サミットに向けて:
岸田総理は連休の間もアフリカ4カ国、シンガポールを訪問されたのに続き、休み明けには韓国を日本の首相として10年ぶりに訪問されました。これで主要国では中国を除き、G7諸国に加えインド、ウクライナ他への訪問が一巡し、来週19日~21日開催されるG7広島サミットに向けての地ならしを終えたことになります。誠にご苦労様と言う他ありません。こういった外交上の成果もあり、このところ政権に対する支持率が上昇しています。NHKの世論調査によると、支持する理由は「他の内閣より良さそうだから」が48%、「支持する政党の内閣だから」が21%、「人柄が信頼できるから」が14%となっています。私は岸田さんとは二度ほどご一緒したことがありますが、確かに人柄の良さを感じました。
ところで、戦国の武将でも政治家も、そして自らを振り返って経営者も、「運」というものが極めて大きく影響すると思います。もちろん、その前提として「努力」、「人事を尽くす」が不可欠であることは言うまでもありません。例えば岸田首相の場合も、「もし米国大統領がバイデンでなくトランプのままだったら」、或いは「韓国大統領が尹錫悦(ユン・ソンニョル)でなく文在寅(ムン・ジェイン)のままだったら」、日米韓の現状は全く別なものになっていたでしょう。支持するかどうかは別にして、今、岸田首相は「よい流れ」に乗っているように感じます。是非この「流れ」を大切に、特に対中関係を「対決」ではなく「対話」を重視してもらいたいと願っています。
■米国訪問について:
コロナ感染発生前は毎年1~2回米国を訪れていましたが、感染拡大に伴う諸規制により途絶えていました。そのため今回は4年ぶりになります。
◎今回は先ず、7年ぶりにニューヨークを訪れます。同地は今から45年前の1978年~1983年(35歳~40歳)、5年半勤務した懐かしいところです。当時、子ども2人は2・3歳からのスタートで、米国流の子育てから様々なことを学びました。そして私は年間に約120回のフライトとレンタカーを駆使し、全米を駆け巡ったことも懐かしい思い出です。今回は家内を伴い、昔懐かしいところを訪れることにしています。
◎ニューヨークの後はネブラスカ州オマハを訪れます。実は後述するロサンゼルス近郊でスタートした冷凍冷蔵倉庫事業が厳しい状態にあった時、現地化が必要と考え、適任者としてようやく見つけ出した米国人(社長在任、2005年6月~8年半)がリタイヤして同地に住んでいるのです。彼がいなければ事業を軌道に乗せることは至難であったと思います。そういう意味では「恩人」です。今回同氏宅にステイすることが最大の楽しみであり、今回の訪問のハイライトです。米国に限らず海外で事業を成功させるには「優秀(人柄が大事)な現地の人材」が不可欠です。そして、そういった「人材をどう見つけ、使いこなすか」がカギであり、普段からそのための「眼力」を養っておくことや、「現地での人脈づくり」を心掛けることが大事です。
なお、オマハという地名は今、日本のマスコミにちょくちょく登場します。それは「投資の神様」と呼ばれるウォーレン・バフェット氏(92歳)がトップを務める米投資会社「バークシヤー・ハサウェイ」の本社の所在地(同氏の居住地でもある)だからです。毎年同地で開催される株主総会(今年は5月6日)には僅か50万人弱の同町に世界から数万人の株主が押しかけ、同氏の話に聞き入るとされています。
◎最後に訪れるのはロサンゼルス近郊のウイルミントンです。前職時代、冷凍冷蔵事業をスタートさせた思い出の場所です。今は拠点は3カ所に拡大し、従業員も約200名の規模になっています。事業の立ち上げを決断し、土地を購入したのは1988年末でした。それから倉庫が完成するまでいろいろ紆余曲折があり、事業が実際にスタートしたのは1994年末でした。その後事業が軌道に乗るまでもがき苦しみの日々でしたが、毎年2~3回現地を訪れ緊密にコミュニケーションをとるようにしました。スタートして来年で30年。生涯思い出になる事業の一つです。 (※昨年4月15日・22日付掲載のブログ:「米国でのくらしとビジネス」、ご参照願います)
播いた種を太い幹に育てるにはそれなりの時間とエネルギーと忍耐、それに覚悟が必要です。経営者に求められるのは確固たる将来ビジョンと、変革(イノベーション)に向けたブレない信念と実行力です。
◎米国は今、「社会の分断」と「格差の拡大」が際立ってきています。世界的な懸念材料です。来年11月には大統領選挙があります。トランプ氏も復権を目指しもがいています。ああいう人物が大統領候補として残っているのは日本の常識では考えられないことです。そういった米国の現状についても見聞を拡げてきたいと思います。