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2023年06月16日

ちょっと気になる記事・話題(95)

■■今週もいろいろな動きや出来事がありました。
■京都へ一泊二日の小旅行に参加:
先週、京都への一泊二日の小旅行(観光・グルメツアー)に参加しました。名所旧跡巡りは三千院(大原)、祇王寺(嵯峨野)、神護寺(高雄)、今宮神社(北区柴野今宮町)を訪れました。青もみじが映える深山で、今が盛りと咲き誇るアジサイや古刹の苔は素晴らしい眺めでした。そして改めて京都には寺院が多い(3065カ所)ことに気づきました。調べてみると意外にも全国で寺院が最も多いのは愛知県でした(4558カ所)。因みに大阪は3382カ所、東京は2876カ所とのことです。一方、グルメの方は解禁されたばかりの鮎や、採れ立ての山菜を使った料理はとても新鮮で美味でした。参加者は東京からの方々が多く、わざわざ遠くから来られただけあって事前勉強が豊富で、京都について教えられることが多々ありました。「灯台下暗し」と言いますが、考えてみると私は関西人でありながら通天閣に上ったことはないし、東京の人であっても東京タワーに上ったことのない人も多いと聞きます。身近な存在だけに「いつでも行ける」とか「そのうちに」と思っている間に年月が経ち今日に至っているように感じます。自分の年歳を省みて、これからは思いついたら即実行・実現を心掛けようと思いました。
■来週会期末を迎える通常国会:
1月23日開会した通常国会(150日間)も、来週6月21日の会期末に向け、虚々実々の駆け引きが繰り広げられています。支持率が「上がった・下がった」で、解散を「今やるべきかやらざるべきだ」とか。野党側としては存在感を示す意味で、「内閣不信任案を提出すべきだ」とか。その一方で、不信任案を出した場合、岸田内閣に「解散に向けての大義」を与え、逆に野党側は候補者選び等準備が出来ていないため「墓穴を掘る」ことになりかねないとか。或いは野党の中で第二党の地位を守るには今やった方がよいとか。政治家の先生方は「常在戦場」を口癖のように仰いますが、実際にはなかなかそうはいかないのでしょうか。
今国会では「少子化対策」、「防衛費」等について審議されました。肝心の財源については先送り。スケルトン状態。昔から「増税と汚職」では選挙に勝てないと言われてきました。安倍内閣は前政権からの政策目標(消費税を10%に引き上げ)を引き継ぎ、2014年4月に消費税率を8%に段階的に引き上げましたが、その後、同年11月に「10%引き上げの1年半延期」について「国民の信を問う」形で国会を解散し、定数の2/3を超える大勝利をもたらしました。この辺りの安倍さんの政治感覚はすごいと思いました。選挙の強さ(国政選6連勝)が与党議員の強い支持をもたらし、安倍政権の7年半という歴代最長の連続在職日数に繋がったといえます。
■「失敗に厳しい」日本、「一発必中」「百発百中」を求める国民性:
目下、マイナンバーに関するトラブルが相次いでいます。この制度は「行政の効率化」、「国民の利便性の向上」、「公平・公正な社会の実現」のための社会基盤として不可欠であり、いわば最大の「行革」です。それがシステム上の問題と人為的なミスが重なり、野党から岸田首相の謝罪や、河野担当大臣の罷免を要求する事態となっています。我が国では不祥事を起こすと「先ず謝れ」となり、「世間を騒がせて申し訳ありません」が決まり文句です。いかにも日本的というか、「失敗を許さない国民性」を象徴しているように感じます。米国ではトランプ・前大統領のケースで象徴されるように、いくら起訴されようと「司法の判決で有罪」と決まるまでは白であり、謝ることもあり得ません。

ところで新しいこと、特にITのように目で確認できないサイバー空間のシステム導入は、やってみないと分からないリスクが常に潜在します。最初から完璧を期すことは不可能であり、歩みながら是正していくくらいの気持ちが必要と考えます。様々なリスク・トラブルがあっても、マイナンバーは導入を急ぐべき社会システムです。振り返ればこの制度がスタートしたのは2015年10月で、間もなく8年になろうとしています。ところが未だ普及率は67%(2023年4月現在)。普及促進のためポイント制の導入もありました。これでは早々と手続きした人たちは浮かばれないでしょう。法制面を強化してでも普及を急ぐべきであり、今のままでは高齢化や労働力不足に対応できず、世界のデジタル化への潮流からどんどん置いていかれます。 

この改革に対する国民性は今問題になっているトラック業界への「働き方改革関連法」(時間外労働の上限規制)の適用、いわゆる「2024年問題」についても同様です。この法律は既に大企業では2019年4月から、そして中小企業は2020年4月から施行されています。トラック業界は業務の特殊性から5年間猶予されてきましたが、いよいよ来年4月1日に罰則付きで施行されることになっています。ところが実施時期が近付くにつれ、「未だ準備が出来ていない」とバタバタするようでは、「一体今まで何をしてきたか」と言わざるを得ません。法律で決めても「イザとなったら、ゴネれば何とかしてくれる」という甘えというか、もたれ合いの風潮が我が国でゾンビ企業が約20%を占め、構造改革を遅らせている一つの要因ではないかと思います。 

因みに、私は若かりし頃、ニューヨークで約5年半勤務しました。着任早々、銀行口座開設はもとより運転免許や電気・ガスの供給申請に至るまで、何をするにも我が国のマイナンバーに相当する「社会保障番号」(Social Security Number)が必要でした。米国では今から87年前の1936年から既にこの制度が導入されています。個人番号は私がこの世にいる限り有効で、そのお陰で65歳以降、毎月米国政府から私の口座に年金が振り込まれています。プライバシー保護に厳しい米国ですが、利便性・効率性が上回れば受け入れる、米国人の合理的な考えが根底にあるように思います。コロナ対策に関してもこの制度の普及度合いによる、日米間のスピードの違いが明らかになりました。我が国でも早くデジタル化が軌道に乗ることを願うばかりです。

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