今日、7月7日は七夕。ウイキペディアによると七夕は中国に端を発するお祭りで、織姫と彦星の出会いを祝う日です。伝説では天の川はこれらの恋人たちを引き離し、二人は年に一度、太陰太陽暦の7太陰月の7日(今年は8月22日)だけ会うことが許されているとのことです。お祝い(お祭り)は全国各地で7月から8月までの間、様々な日に開催されます。
私は以前、仙台の七夕まつりを見物したことがあります。このまつりは藩祖伊達政宗公の時代から続く、伝統行事として受け継がれ、今日では日本古来の星まつりの優雅さと、飾りの豪華絢爛さを併せ持つお祭りとして、全国に知られています。街中を歩くと色鮮やかな七夕飾りで埋め尽くされ、毎年200万人が訪れると聞きました。
仙台七夕まつりと青森ねぶた祭、それに秋田竿燈(かんとう)まつりは東北三大祭りとして全国的に有名です。5年前、三大祭りに加え山形花笠まつりを巡るツアーに参加しました。いずれも長い歴史と伝統を受け継いできたおもむきがあり、その素晴らしさは感動的でした。
3年以上続いたコロナ感染の影響により、お祭りを始めほとんどのイベントは中止或いは規模縮小を強いられてきました。5月8日に規制が緩和されたことから、今年は全国的に以前の活気を取り戻すことでしょう。昔から「景気は気から」と言われます。祭りの賑わいが日本経済にもたらす効果は非常に大きいと思います。
■■今週もいろいろ想うことがありました。
■2023年版「骨太の方針」閣議決定(6月16日):
いわゆる「骨太の方針」とは、正式には「経済財政運営と改革の基本方針」といわれ、「政府の経済財政政策に関する基本的な方針を示すとともに、経済、財政、行政、社会などの分野における改革の重要性とその方向性を示すもの」とされています(内閣府HP)。本年版のポイントは、①労働市場改革、②少子化対策、③経済・食料安保、④所得向上です。
私は「骨太の方針」について忘れられない思い出があります。実は、私は2012~2017年の5年間、関西経済連合会に設置された「リニア中央新幹線の大阪への早期接続を目指す特別委員会」の委員長を務めました。リニア中央新幹線は本来、民間企業であるJR東海㈱が推進する純民間プロジェクトでした。その公表された事業計画では、東京―名古屋開業は2027年、そして名古屋-大阪の開通はその18年後の2045年とされていました。
因みに、JR東海㈱がリニア中央新幹線の建設を急ぐ理由としては、①現在、日本経済の大動脈の役割を果たしている東海道新幹線が開業以来59年になり、老朽化が著しく大規模な補修が必要なこと、②いつでも起こりうるとされる南海トラフ地震はマグニチュード9程度、最大約32万人の死者・行方不明と試算されています。ひとたび津波が発生すると鉄道・道路は壊滅し、日本経済は沈没します。そういったリスクに備え東北新幹線のように、日本列島の真ん中を走行するルートが早急に必要だからです。この2点は全国民が理解し共有すべき事項と言えます。
しかしながら、名古屋から大阪への延伸が東京―名古屋開業の18年後となる計画に対し、関西経済界は強い危機感を持ち、東京-名古屋-大阪「同時開業」を目指す特別委員会を立ち上げ、私がその委員長に就きました。
そして私の活動を始める論拠は、「現在、我が国は過度の東京一極集中の状態にある。これでは首都圏で直下型地震をはじめ様々な災害・事変が起こると首都機能が失われ国家的危機に陥る恐れがある。こういった様々なリスクを回避し国土強靭化(国力強化)を目指すには、東京・大阪という双発エンジンを具えることが必要。そのためにも東京-名古屋-大阪の同時開業が不可欠」でした。この点について私は、2014年5月、ある政治評論家が主宰するセミナーに、ゲスト・スピーカーとしてこられたJR東海㈱葛西元会長(故人)との質疑応答で、直接お願い(直訴)しました。その際のやり取りから、私はこの事業を「国家事業」として政府・行政に採り上げてもらうには、「骨太の方針」に盛り込むことが不可欠であることを学びました。さもなければいくら必要性を訴えても、法的には何の根拠もない負け犬の遠吠えのようなもので、政府の政策として採り上げてもらえないのです。もちろん予算措置も施されません。
その後もセミナーや決起大会を何度か開催し必要性を訴えるとともに、2014年版「骨太の方針」(6月策定)に織り込んでもらうよう、各方面に陳情を繰り返しました。特に二階俊博先生には、「ともかくリニアの《リ》の一文字だけでも入れてもらいたい。さもなければ関西にとって死活問題となる」と訴えました。こういった経緯もあって同年6月に策定された「骨太の方針」に「リニアの整備を進める」ことが明記されました。結局、全線「同時開業」は叶いませんでしたが、その後、JR東海㈱への財政投融資3兆円が決まり、大阪への接続が当初計画から8年繰り上げ、名古屋開通の10年後の2037年とすることが決まりました。開業時期の前倒しは個人的にも会社(前職)としても、特にどうこうということではありませんでしたが、「関西の地盤をこれ以上沈下させてはならない」という一心からでした。今となっては懐かしい思い出です。
■新紙幣、来年7月発行を正式発表:
財務省と日銀は2024年7月前半をメドに新紙幣を発行すると発表しました。デザイン刷新は20年ぶりの事です。1万円札は福沢諭吉→渋沢榮一、5千円札は樋口一葉→津田梅子(津田塾大学の創始者)、千円札は野口英雄→北里柴三郎とのこと。新紙幣には肖像画を立体的に見せるホログラム技術が導入されます。
我が国は紙幣の流通量が多いとされており、BIS(国際決済銀行)によるとGDP比で米国や英国は10%を下回っているのに対し、我が国は20%を超える現金大国とのことです。通貨は国の権威を象徴し、偽造は経済を混乱させることから重罪です。ずいぶん昔のことですが、中国でタクシー代を支払おうとしたところ、「これは偽札だ。どこか見抜かれないところで使え」と言われたのには驚きました。今は中国は電子決済技術向上によるキャッシュレス社会ですが、これも横行する偽札対策と言えます。