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2023年07月28日

故郷について想うこと(101)

連日酷暑が続き熱中症が多発しています。世界では50℃を超える信じられない高温が記録されており、頻発する山火事や、干ばつによる農産物への深刻な被害が発生しています。このままでは人類は破滅に向うことさえ危惧されます。何としてもその原因となっている地球環境破壊をくい止める必要があります。そのためには私たち一人一人が、例え些細なことでも自分の出来ることを実践することが求められます。

■■「故郷(ふるさと)」について想うこと:
先日、関西歌劇団のメンバーが集まり結成された、ヴォーカルアンサンブル≪ノスタルジア≫のコンサートを鑑賞しました。ノスタルジア(英・Nostalgia)とは望郷・郷愁という意味ですが、年に2回ほど公演に招かれ、エンジョイさせていただいています。
今回の曲目は「夏は来ぬ」「ほたるこい」といった、今の季節にふさわしく懐かしい童謡をはじめ、グラナダ等歌劇の歌曲、そして定番のテーマ曲は何度聴いても懐かしさがこみ上げてくる「故郷(ふるさと)」でした。
「うさぎ追いしかの山 小鮒釣りしかの川 夢は今もめぐりて 忘れがたき故郷」で始まる歌詞は、幼い頃の自然豊かな田園風景や家族・友人との絆、そして若い頃の志を彷彿とさせ胸に響きます。この曲は1914年に文部省唱歌の第六学年用として発表されました。作詞者(高野辰之)、作曲者(岡野貞一)が公表されたのは、1960年代になってのことです。高野氏の出身地は長野県中野市、岡野氏は鳥取県鳥取市で二人の故郷には歌碑があります。この歌の背景には、戦争に突入する前、若者は故郷を離れて都会に集められ(集団就職)、国力増進のため働きました。そして一生懸命働いて成功し、「故郷へ錦を飾る」ことが理想とされていました。この言葉の語源は六世紀初めの中国で、元は「錦(豪華な服)を着て故郷に帰る」だったそうです。

さて、「故郷」という言葉はほとんどの人にとって特別の響きがあるのではないでしょうか。それぞれの人にはそれぞれ「故郷」がありますが、自分自身にとって「故郷」とは何だろうかと考えてみました。
私が生まれたのは1942年(昭和17年)10月、太平洋戦争のさなかでした。出生地は中国上海市の日本人居住区の中でした。父が日本商社の駐在員をしていたからです。上に姉二人がいる末っ子でしたが、私が1歳に満たない時に母は現地で病死したことから、一家は終戦前に日本に戻りました。長姉によると大きな船に乗ったそうですが、この間のことは全く記憶にありません。生みの母は未だ20代でしたが、残念ながらそのよすがとなる写真等は、その後一時住んでいた兵庫県芦屋市の空襲(終戦の直前)により焼失し、知る由は全くありません。
その後、父は再婚し、終戦の前後は継母の実家があった兵庫県三木市に疎開していました。このあたりから記憶があります。当時の住み家は典型的な商家風で間口は狭く、奥深くにあった中庭には井戸とザクロの木があり、三世代同居の暮らしでした。町の中心にあった三木城は豊臣秀吉の播州攻めで落城し、城兵と領民の命と引き換えに切腹した別所長治公が城主でした。公はまだ20代でしたが、その辞世の句「今はただ 恨みもあらじ 諸人の いのちにかはる 我が身とおもえば」は、名君とされた領袖の生き様を象徴しています。「責任逃れ」が目立つ最近のトップの姿勢とは大違いです。そしてお城の本丸跡や町の側を流れる美嚢川という大きな川でよく遊びました。また秋に開催される大宮八幡宮の例大祭では、8基の布団屋台と呼ばれるお神輿が繰り出し、85段の急な石段を登っての宮入は迫力満点です。今年は4年ぶりに本格的に開催されるようです。

なお、ついでに申し上げますと、私が実母と継母のことを知ったのは大学受験前の事でした。多感な頃を過ぎるまで周りが伏せようとしていたようです。私はこれまで「好運」に恵まれた人生を歩んできたと自認していますが、これは3人の幼な子を残し、断腸の思いであの世に旅立った「生みの母」の思いと、自らの子どもをもうけず、教育熱心で厳しく養育してくれた、「育ての母」のおかげと心から感謝しています。

以上のことから、私の「心の故郷」は、今は行き来はありませんが兵庫県三木市です。しかし三木市にはそれほど長く住まず、その後は兵庫県尼崎市に移り、幼稚園、小学校、中学校、高校まで学びました。そして学生時代は東京で過ごし、社会に出てからは山口県宇部市(3年)、大阪(1970年の大阪万博の頃)、静岡県富士宮市(一年間貿易研修センターで研修)、東京、ニューヨーク(1978~1983年)を経て関西に戻ってきました。東京勤務時代に結婚し、その後転宅を5度経験しました。因みに本籍地は父の代まで住んでいた広島市です。今振り返って頭に浮かぶ思いは「人生到る処青山あり」です。同時に「自分は関西人」という意識が強いように感じます。
以上、私事ながら「故郷」について触れさせていただきました。

■■米国株(NYダウ)、13日連騰の後、下落:
米国の中央銀行にあたるFRBは26日も0.25%の利上げを発表し、政策金利は5.5%と2001年以来、22年ぶりの高い水準となりました。6月の消費者物価が一時より上昇率が下がったとはいえ、3.0%と目標の2%を超えていることや、雇用が好調に推移していることから、インフレ圧力は根強いと判断したことになります。日本も物価上昇が目標の2%を超え、日米金利差が更に拡大することから早晩、ゼロ金利・金融政策の見直しが一段と現実的になるでしょう。
株式相場はBullish(強気)とBearish(弱気)のせめぎ合いで決まります。また、半年先の景気動向を反映しているとされています。米国株式市場は今回の利上げは織り込み済みのようですが、昨日(現地7月26日)は利上げに反応し、14日ぶりに下落しました。利上げはせいぜいあと1回で打ち止めとなり、景気は今後年末にかけスローダウンするものの、来年以降、金利は引き下げに転じ景気は回復するとの見方が多いようです。米国では日本が遅れを取るIT(先端半導体ほか)や、生成AI(ChatGPTほか)といった、ハイテク株がけん引し、Bullish相場を下支えしています。

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