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2023年11月24日

ちょっと気になる記事・話題(114)

今週はずっと好天に恵まれ、太平洋側では晩秋の穏やかな日々が続きました。
ところで今から60年前の日本時間1963年11月23日(土)早朝、米国テキサス州ダラスで、当時、非常に人気が高かった米国第35代大統領ジョン・F・ケネディが暗殺されました。享年46歳という若さでした。私は当時大学の2年生で、所属していたバドミントン部の合宿に出掛けるため、たまたま朝5時ごろ東京・国立市の下宿先のテレビで観て、大変驚いたことを記憶しています。当日は奇しくも日本初の海外衛星テレビ中継が始まった日で、そこに飛び込んできたのがこのビッグニュースでした。
銃撃は大統領の車列が通るダラス市内の道路のすぐ脇の、旧テキサス州教科書会館6階の窓からでした。その建物はそのまま博物館として保存されています。私は米国ニューヨークに駐在中(1978~1983年)にダラスを訪れる機会があり、仕事の合間に事件現場を訪れました。狙撃に使われた照準器付のライフル銃が展示されていました。
この事件は実行犯とされたリー・ハーヴェイ・オズワルドが、事件発生の2日後に、マフィアと関係のあったクラブ経営者シャック・ルビーに射殺されたことから、オズワルドは単独犯ではなく口封じされたのではないかといった、様々な憶測が飛び交いました。この辺のことは映画「ダラスの暑い日」で、ドキュメンタリー風に描かれています。
一方、最近の米国政治の現状を見ていますと、世界最強の経済力・軍事力を有する民主主義国家として、もう少し何とかならないものかと、よそ事ながら憂いています。
因みに、もう一つの暗殺事件に関してですが、今週月曜日、奈良の経済団体から依頼された講演のため同地を訪れた際、昨年7月8日、近鉄・西大寺駅前で起きた安倍元首相銃撃事件の現場を通りました。現場はその後、当初から予定された整備計画が実施され、事件を思い起こすような痕跡はまったくありませんでした。山上被告の初公判は来年以降になる予定ですが、果たしてどういう展開になるのでしょうか。関心を持って見守りたいと思います。 

■■最近想ったこと:
■PoliticianとStatesmanの違い:
岸田政権がスタートして先月で2年が経ちました。今年9月に発足した第二次岸田内閣改造後も政府幹部の辞任が相次いでいます。1人は女性問題、次は法務副大臣が公選法違反、もう一人は財務副大臣が税金滞納や資産差し押さえ。これは一体どういうことでしょうか。女性問題は個人のモラルの問題ですが、後の二人は問題となった件を管理・監督する主管官署の中枢にある人物です。自分がやったことの重大性が分かっているのか、資質と責任感を問わざるを得ません。税理士の資格をもちながら税金を滞納した副大臣が、更迭されたのは当然ですが、ご本人は「この程度のことは許される」とでも思っていたのでしようか。それではあまりにも国民を愚弄しています。
「一日は24時間、一年は365日」は万人平等です。この時間軸という制約の中で、いくら人生100年時代といっても、「地位も名誉も自由もカネも色欲も」全て手にするというのは虫が良すぎます。このうちのどれかを成就するには、他の何かを捨てる・諦める・犠牲にする覚悟が必要です。人それぞれの人生がありますが、結局は「神様は平等なのだ」と聞いたことがあります。
以前、ある大物の政治家の秘書(故人)から、「若い先生方(政治家)はすぐに偉くなってしまう」という言葉を聞いたことがあります。つまり初当選して初々しかったのが、「先生、先生」と言われているうちに、瞬く間に「自分の力で偉くなったよう振舞う」ことを皮肉ったのです。いわば「慢心・おごり」です。そして脇が甘くなるのです。若い先生方には是非とも政治屋(Politician)ではなく、政治家(Statesman)を目指してほしいと願っています。そのためには「いろいろある欲望・煩悩のうち何かを捨てる、犠牲にする」という、一途な「決意」「覚悟」が求められます。それが出来なければ政治家を目指すべきではありません。 
■外国勢の日本国債の保有比率が邦銀保有を超えた:
財務省によると本年3月末時点で、海外投資家が保有する日本国債の割合が14.5%となり、邦銀の所有比率(13.1%)を上回ったようです。因みに我が国の国庫短期証券を含む国債発行残高は、3月末で1,229兆7,563億円に達しGDPの2倍以上、そして先進国で最悪の水準となっています。このうち日銀保有が47.1%を占めています。一方、邦銀の国債離れは進み、保有比率は15年前の50%弱から大幅に減っています。背景として日銀が大量に国債を買い上げ、代金を支払うことで市場にカネを供給するためでした。逆に海外投資家の保有比率はこの15年で倍になっています。株でもそうですが海外投資家は様々な情勢変化による相場の変動に非常に機敏に動きます。つまり今までは日本の国債は国内の投資家で殆ど消化されてきたので安定してきたフシがありますが、海外投資家の保有比率が上がるのに伴い、投機による金利・国債価格の変動(下がる)リスクが増大します。
身近な例として、英国では国債の約3割を外国人投資家が占めていますが、昨年9月、トラス前政権下で財政運営の不透明感を受けて金利が上昇し、国債価格が急速に下落、通貨も過去最安値まで下落し、経済の混乱を招いたことからトラス首相は辞任に追い込まれました。我が国では未だ「打ち出の小槌」のように国債発行・残高増が続いていますがその分リスクが高まっていることを忘れてはなりません。
■飲酒の功罪:
成人一人当たりの酒類消費量がこの20年間で約2割減った一方、アルコール性肝炎の死者は2倍に増加したそうです。健康志向で酒を控える人、そして新型コロナウイルス禍のストレスなどで深酒する人と、飲酒についての「二極化」が進んでいるとのことです。「酒は百薬の長」と言われますが、飲み過ぎると「過ぎたるは及ばざるがごとし」で害毒になります。酒は「飲むこと」自体が目的ではなく、「コミュニケーション」の媒体と捉えるべきでしょう。かく言う私は若い頃、ウイスキーのボトル一本を空にしたことが何度かあります。肝障害や事件を起こさなかったことは幸いでした。今はたしなむ程度に抑えているつもりですが、時には飲み過ぎます。やはり好きなんでしようね。

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