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2024年08月09日

「ちょっと気になる記事・話題」(148)

熱戦が繰り広げられている2024年パリオリンピックも残すところ3日。やはりメダル獲得数が気になります。最新(日本時間8月9日午前7時)の国別金メダル獲得状況は1位・米国30個、2位・中国29個、3位・オーストラリア18個、4位・フランス14個、5位・日本13個です。日本の選手はよく健闘しています。そしてほとんどの選手が競技終了後、これまで支えてくれた周囲への感謝と、4年後の2028年ロサンゼルス大会にも出場したいと言っています。それだけアスリートにとっては、例え並外れた自己犠牲を強いられても 世界の頂点を目指すことに魅かれるのでしょう。観戦者側も金メダルを獲得した選手の栄誉を讃える国歌が演奏され、国旗が掲揚されると、「オリンヒックは参加することに意義がある」とはいうものの、いやが上にもパトリオティズム(愛国心)が掻き立てられます。
そして2024年パリオリンピックが終わると、次は世界最高峰の障害者スポーツであるパリ2024パラリンピックが、8月28日~9月8日開催されます。様々な障害を乗り越えた競技者が、極限までチャレンジする姿は感動的であり超人的です。この大会にも大きな声援を送りたいと思います。 

■■最近想ったこと・注目したこと:
■米国大統領選挙:
米民主党は党大統領候補の指名投票を8月5日(現地)締め切り、ハリス氏が投票した代議員の99%の支持を得たと発表しました。これでハリス氏が11月の大統領選挙で民主党の大統領候補となることが正式に決定しました。そして同氏は翌日、共に戦う副大統領候補として、中西部ミネソタ州のワルツ知事を指名しました。民主党と自分自身の弱点を補完する役割を期待した選択です。そして、いよいよ100日を切った投票日(11月5日)に向けての熱い戦いの幕が切って落とされました。私は「米国は時に右に左に振れるが、最後は民主主義のバランス感覚が発揮される」ことを期待していましたが、今回のような形でそれが具体化したことは大変喜ばしいことと思います。目下のところハリス陣営は順調な滑り出しのようですが、選挙は最後までどうなるか分かりません。トランプ前大統領にとっては、もし大統領選で敗者となると、現在係争中の数々の罪状で有罪判決を受けるリスクが高まるのを始め、失うものは計り知れないことから必死の戦いになります。
■台湾・台北を訪問:
8月3日~5日、2泊3日の日程で台湾・台北を訪れました。コロナ禍による出入国規制の影響で実に7年ぶりの訪問でした。今回の訪問目的は、前職時代に取り引きが始まった台湾の船社・エバーグリーン社の子会社・ユニグローリー社(中近東・アジア航路主体)の設立40周年の集いに出席することでした。同社から日本での総代理店業務を受託した1984年はイラン・イラク戦争(1980~1988年)のさなか、しかも当時の我が国の大手荷主は盟外船は利用しないという時代で、貨物が集まらず随分苦労しました。しかし日台の関係者が必死に取り組んだ結果、2年くらいで軌道に乗り、前職企業の国際化と業務の多角化という目的に弾みがつきました。エバーグリーングループは海運(コンテナ船、世界5位)、空運(エバー航空、世界8位)を柱とする世界的企業です。創業者・張榮發総裁(故人)とは何度もお目に掛かる機会があり、その都度薫陶を得たことは今も懐かしい思い出です。今回、スタート時の仲間と久しぶりに出会い、連日・連夜「乾杯!、乾杯!」の洗礼を浴びてきました。また、今回訪れたEvergreen Museum(台北市内)は展示内容が大変充実しており、海事関係者にとっては必見の博物館です。
なお、台湾の本年4~6月期の実質GDP(速報値)は前年同期比5.09%増で、5四半期連続のプラスでした。しかし台湾は「5欠」問題、即ち水、電力、土地、専門人材、労働力の不足が深刻になっています。最近ではこれに廃棄物処理場の不足が加わり「6欠」とも言われます。これらのうち最も深刻なのが水不足です。状況次第では、世界生産の8割近くが集中する最先端半導体の供給に影響しかねません。そのため昨年の半導体受託生産の世界シェアの約6割を占めるTSMCは、2020年以降、日本(熊本)や米国、それにドイツでの工場建設を相次いで打ち出しています。
一方、台湾と外交関係を維持する国はこの8年間に10ヵ国減り12ヵ国となりました。今後の台湾を巡る情勢は、本年11月5日投票(現地)の米国大統領選挙の結果次第で大きく変わる可能性があり、我が国も安全保障上から注視していく必要があります。
■「瑞穂の国」日本でコメが足りない:
コメの取引価格が冷夏による凶作で品薄になった1993~94年の「平成の米騒動」以来、およそ30年ぶりの高値を付けています。主要銘柄・新潟産コシヒカリは卸会社間の取引価格(東京地区)で決められています。現在、1俵(60kg)が28,050円程度と前年比2倍まで値上がりしています。背景として昨年の猛暑による不作や品質低下とインバウンド(訪日外国人)による消費増が挙げられています。インバウンド増(毎月約300万人)による消費増は、農水省の試算では約3万トン程度とされています。従って根本的な原因は日本のコメ政策、即ち「減反政策」にあるように思われます。減反政策は1970年に始まりました。農家に補助金を与えて、コメの供給を減らし米価を維持する政策です。我が国における米の生産量は1970年には1,253万トンありましたが、現在は水田の4割を減反して生産量を700万トン以下に抑えています。世界では総人口の約9人に1人が飢餓に直面しています。我が国も人為的にコメの生産を抑える農業政策を転換し、オランダを見習い生産性の向上により価格競争力を高め、生産量を増やし輸出を拡大する方向に転じるべきではないでしょうか。
■「土用の丑の日」の次はサンマの季節:
「土用の丑の日」の「土用」とは季節の変わり目である立春・立夏・立秋・立冬の直前の約18日間を指します。そして「丑の日」は日にちを十二支で数えたとき、丑に該当する日のことです。丑の日は12日間周期で訪れます。今年の立秋は8月7日。従って丑の日は7月24日と8月5日の2日でした。この日になるとスーパーのチラシにウナギの広告が大きく目立ち、ウナギにとって受難の日となります。
さて、日中は相変わらずの猛暑ですが、さすがに立秋を過ぎると朝夕は秋の気配を感じるようになりました。そして秋で連想するのはかつて大衆魚とされた「サンマ」です。その「サンマ」が今年も昨年に続き不漁が予想されています。その原因として資源の減少、海水温度の上昇、それに中国、台湾が漁獲を増やしていることです。因みに昨年の全国の水揚げ量は2.4万トンと5年前に比べ8割減り、価格はこの間に2倍になりました。私が幼少の頃は秋のシーズンになると、炭火で焼いた太く脂の乗ったサンマが毎日ように食卓に上がったものです。最近のサンマは「秋刀魚」と言われるように、正に「刀」のようにやせ細り一抹の寂しさを感じます。

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