
新しい年が明け、早くも1月も下旬に入りました。それでも1月は年始の行事も多く少し長く感じますが、2月・3月は「逃げる・去る」と称されるように瞬く間に過ぎ去ります。時の流れは一瞬たりとも止めることが出来ず、そして振り返るといつの間にか私のように80歳を超えています。正に「光陰矢の如し、少年老い易く学成り難し」であり、「一日一日を大切に」していただきたいと願っています。
さて、昨年の世界の平均気温は産業革命時(およそ1760年代)に比べ1.47度高くなり、史上3番目に熱い夏だったそうです。我が国でも昨年の夏は全国平均気温は1898年の統計開始以来で最も暑い夏でした。ところが今は一転して、気象庁によると今週21~25日は「数年に一度あるかないか」の強い寒波が流れ込み、大雪の恐れがあるとしており、交通・物流への影響が懸念されます。
また、毎日のように全国どこかでニュースで報じるような地震も発生しています。そして世界的に地政学的リスクも高まっています。昨今、IT・AIやSNSで私たちの生活は一見便利になりましたが、そんなものはなくのんびりと時が流れた幼少期や、今や都市化や環境破壊で身辺から消えた昆虫や小動物(ヘビ、カエル、トカゲ、川魚等)がいた頃にノスタルジアを感じます。
なお、今週、私は兵庫県の日本海側にある城崎温泉へ、冬の味覚「松葉ガニ」を楽しむ日帰りツアーに参加しました。同地を訪れるのは数十年ぶりでした。大阪から福知山線・山陰線経由、特急で約2時間40分です。カニにはいろんな種類があり、上海ガニも有名で何度か食しましたが、やっぱり「松葉ガニ」(正式名称はズワイガニ、場所によっては越前ガニ)が最高です。日本に生まれてよかったと実感しました。帰路は兵庫県豊岡市にあるコウノトリ但馬空港から伊丹空港まで僅か30分ほどの飛行でした。
■■最近想ったこと・注目したこと:
■衆議院解散と衆議院議員選挙:
高市首相は今月23日召集の通常国会冒頭で衆院を解散すると表明しました。それに伴い衆議院議員選挙(議員数465名)が今月27日(火)公示、2月8日(日)投開票の日程で実施されます。前回の衆議院議員選挙は2024年10月27日に行われ(任期は2028年の10月26日の4年間)、そして昨年7月には参議院議員選挙がありました。今回の衆院選挙を含め1年3ヵ月の間に国政選挙が3回行われることになります。
これではまるで選挙の合間に政治をやっているような状況です。必然的に今回もそうですが、選挙戦術としてポピュリズムに傾きがちです(消費減税等)。
高市首相は人物や仕事ぶりへの支持率(人気)は高いようですが、政策として掲げる積極財政への市場の反応(円相場、長期金利)は警戒感が強いようです。また、外交面では日中関係は手詰まり状態にあり、その影響が顕在化しつつあります。
なお、日本では自治体の首長はそれぞれの選挙区での直接選挙で選出されます。米国の大統領選挙も、各州でどの候補者を支持するか予め決まっている選挙人(538名)を選ぶ間接的・直接選挙です。ところが我が国の首相は議員内閣制で、国民が直接選ぶのではなく、国会議員が決定権を持っています(最近は党員投票も選出に影響しますが)。そのため国会議員の資質が極めて重要です。従って選挙区ごとに候補者同士のディベートの機会を設けるなど、人物評価をもっと重視すべきではないかと思います。
■トランプ氏、再度大統領に就任して1年経過:
今年7月4日は米国にとって建国250年の節目の記念日となります。私は建国200年の年に米国を訪れましたので、「あれから50年か」という感慨深いものがあります。
さて、昨年の1月20日にトランプ氏が大統領に再度就任して1年が経ちました。それにしてもこの人物はどこまで自己顕示欲と名誉欲が強いのでしょうか。マスコミのコメントには厳しい論調が目立ちます。
なお、合衆国憲法では議会の権限は事細かに列挙されていますが、大統領権限については短く抽象的な記述に止まっているそうです。専門家によると「権力者の節度に大きく依存するシステム」で、歴代大統領は一線を踏み越えない抑制を保ち、それが民主主義を守る「ガードレール」の機能を果たしてきたとしています。
ところがトランプ氏はそんなことは一向にお構いなしに「私に国際法は不要」とまで言い切り、ベネズエラへの電撃的な武力行使に踏み切りました。さらに最近は「国家と世界の安全保障のために、グリーンランドを領有する必要性」を主張しています。ところが名目は安全保障を掲げながら、本音はベネズエラについては石油(世界最大の埋蔵量)、そしてグリーンランドは世界8位の埋蔵量(150万トン)のレアアース獲得にあるとされています。これではもはや帝国主義と言われてもやむを得ないでしょう。
一方、米国内での支持率は全体的には下がって来ていますが、未だ岩盤的な支持層が存在します。その背景に「移民」、「リベラルなエリート」、「中国」、そして「同盟国」は自分たちの富を不当に搾取し、利益を得ているという不公平感があります。トランプ氏はそういった不満を「MAGA」(Make America Great Again)というシンプルなキャッチフレーズで、巧みにすくい上げ支持を高めました。
トランプ大統領の任期はあと3年。今年11月に行われる中間選挙の結果にもよりますが、先行きが見通せない世界情勢となっています。
■厳しい状況にある中国経済:
中国の今年から始まる第15次5カ年計画では、これまで以上に「戦争準備」(戦争動員能力)を強く意識しているという見方があります。その理由として中国共産党はこれまで世界情勢の認識を示す際に「平和と発展」を決まり文句としてきましたが、今回の計画からこの文言が消えていることです(著名な中国研究者・ミンシン・ペイ氏)。
なお、中国国家統計局がこのほど発表した2025年の実質国内総生産(GDP)は、前年比5.0%増となり、政府目標の5%前後を達成したものの、生活実感に近い名目GDPの増加率は4%に止まり、3年連続の「名実逆転」となりました。因みに昨年12月の卸売物価指数は前年同月比1.9%下落し、39カ月連続のマイナスが続いており、デフレ状態にあることを示しています。景気下押しの要因として不動産不況の長期化や、内需不振による民営企業の投資意欲の減退、それに供給力の過剰から生じる値引き競争が指摘されています。また、余剰製品の安値(デフレ)輸出が増加し、相手国との軋轢が生じています。
一方、中国は発電能力の増強に力を入れており、2030年には2024年比1.5倍に増やす計画です。そして2025年の年間発電量は10兆kwと、米国のおよそ2.4倍になったとされています(日本の約10倍)。けん引するのは太陽光や風力発電等の再生可能エネルギーです。また原発も稼働中が約60基あり合計発電能力は約6400万kw、さらに現在27基を建設中です。2040年における電源構成に占める原発の比率を10%に設定し、2024年の5%弱から倍増することを目指しています。
なお、2025年末の同国の総人口は4年連続減少し、前年末比339万人減の14億489万人(日本の約11.4倍)となりました。そして同年の出生数は前年比162万人減の792万人(同11.9倍)となり、1949年の建国以来の最少記録を更新し、直近のピークだった2016年と比べ6割弱減少しました。景気停滞による雇用の悪化や将来への不安が婚姻数の減少をもたらしています。