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2026年02月20日

ちょっと気になる記事・話題(188)

2月6日から2月22日の17日間にわたり開催されている、2026年ミラノ・コルティナオリンピックも終盤戦に入っています。この大会には約92~93の国・地域が参加し、約3500人の選手が16競技・116種目で熱戦を繰り広げています。4年に1度に賭けた選手たちが数々の名場面を繰り広げ、まさにオリンピックならではといったところです。中でも感動的だったのは、2月16日のフィギュアスケート・ペアフリーで、三浦璃久・木原龍一ペアによる、金メダルをもたらした鬼気迫る素晴らしい演技でした。観ている側もハラハラ・ドキドキ、目が釘付けになり無事終わった時はホッとしました。なお、冬季オリンピックで今も強く印象に残っているのは、20年前のトリノ大会のフィギュアスケート女子シングルで、荒川静香選手が日本人初の金メダルを獲得した圧巻の演技イナバウアーです。当時私はウイルスで冒された心臓の手術を受けた直後で、リハビリ中に見たあの妙技に驚いたことを懐かしく思い出します。
なお、インフルエンザが年明け以降、再び勢いを取り戻し、昨秋に続き「警報レベル」とされる異例の事態となっています。子どもや若年層で重症化するケースもあるとされています。お互いに十分注意したいものです。 

■■最近想ったこと・注目したこと:
■衆議院議員選挙、自民党の圧勝:
騒々しかった衆議院議員選挙も2月8日に終わりました。今回の選挙は解散から投票まで16日間という史上最短の選挙戦で、結果は自民党の歴史的大勝利に終わりました。今回の結果をもたらしたのは高市首相の「一か八か」の作戦でした。もちろんバクチではなく、「今なら勝てる」という勝負勘だったと思います。前号でも申し上げましたが、高市首相は故安倍総理の愛弟子を自認するだけあって、「度胸」と「したたかさ」を兼ね具えているように感じます。これは政治家として重要な資質です。
そして「我が国憲政史上初の女性首相」という話題性に加え、「働いて!」を5回繰り返し、「夜を徹して国家・国民のため働く」人物というイメージを前面に打ち出し、国民に自らの信認を問うたのです。もちろん高市首相は強い信念に基づく国家観や経済観をお持ちです。しかし今回の選挙戦ではそれらを衣の下に収め、「情動」、今風に言えば「エモい」を前面に出しました。一方、野党側は立憲民主党と公明党が結成した「中道」は国民の支持を得ず、その他の少数多党も党利党略によるバラバラの体たらくで、結果的に自民党というより高市さんに、地すべり的大勝利をもたらしました。
そして特別国会が2月18日に召集され、第二次高市内閣が発足しました(会期は7月7日までの150日間)。経済政策の焦点は「責任ある積極財政」と「減税の財源」です。事実上、予算から法案審議まですべて自民党の差配下にある国会で、果たして与野党間で緊張感ある論戦は期待できるでしょうか。結局、高市首相に対する最終的な評価は、「市場」 (金利、円相場、株価) の動向となります。
なお、高市首相は3月下旬に訪米し、トランプ大統領と首脳会談を行う予定です。同大統領のような暴君というか独裁者と対処するには、Chemistry(相性)が合うかどうかが重要な要素です。この点で故安倍首相は巧みでした。
一方、トランプ大統領は4月第一週に訪中しますが、最近は対中政策を「対決」から「協調」に転換しています。但し、中国は台湾を「革新的利益」とし一歩も譲らない姿勢です。そして欧州諸国は米国への依存度を下げるべく中国への接近を図り、各国首脳が相次ぎ訪中しています。中国の狙いは日米、並びに欧米間を分断することです。グローバルサウス諸国など新興国も同様で、中国に接近する動きを見せていまです。渦中にある台湾でさえ最大野党・国民党は9年ぶりに今月、北京で中国共産党と交流会を開催しました。そういった中で、我が国だけは「蚊帳の外」といった状態です。地政学的リスクが高まりつつある一方、日中間のパイプ役は不在、そして何かといえば「親中派」とか「媚中派」と蔑視される中で、どう局面を打開するのか高市首相の手腕が問われるところです。これを乗り越えないと「地球儀を俯瞰する外交」は叶いません。
■春節がスタート:
今年の春節(旧正月)は2月17日が元旦ですが、中国では法定休日が15~23日の9日間(前年比1日増)という大型連休です。華人の多い他の国々(シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピン等)、それに韓国も旧正月で祝います(韓国の法定は2月16~18日、土日を含め実質5連休)。この間は経済活動が殆どストップします。中国の人々の今年の海外旅行先は韓国・ソウルのほか、タイ・バンコクやシンガポールなど、東南アジアの主要都市の人気が高いようです。日本は今年は圏外です。
なお、昨年一年間の訪日中国人客数は909万人(推計値)で、韓国に次ぐ2位でした。今年は日中関係の冷え込みから、中国政府は日本への渡航自粛を呼び掛けており、中国人団体客がゼロに落ち込んでいます(個人は別)。因みに昨年12月単月でみると全国では前年同月比45%減の約33万人でした。大阪府内でも前年同月比はやはり45%減の17.6万人まで落ち込みました。こういった動きを反映し、春節期間中の中国から関西国際空港向け航空便は、前年比4割超減少する見通しです。
■日本のGDP(国内総生産)について:
昨年10~12月の実質GDP速報値は前期比0.1%増(年率0.2%増)と、2四半期ぶりのプラス成長となりましたが、民間の事前予測(+1.7%)を大きく下回りました。そしてGDPの半分以上を占める個人消費は、物価高の影響で前期比0.1%増と力強さを欠きました。また輸出は自動車の減少により同0.3%減でした。
以上の結果、2025年暦年の名目GDPは662.8兆円、前年比4.5%増加したものの、物価上昇分を差し引いた実質GDPは1.1%増に止まりました。
一方、我が国のGDPは1990年代初頭のバブル崩壊後、「失われた30年」と称せられるように伸び悩んでいます。IMFが昨秋発表した統計によると、日本はGDPで米国に次ぐ世界2位の座を、2010年に中国に明け渡し3位となり、2023年にはドイツに抜かれ4位となりました。更に今年はインドに抜かれ世界5位に後退し、そして2030年には英国にも抜かれると予測しています。また、一人当たりGDPで見ても2010年は世界14位でしたが、2025年には40位くらいまで後退しています。
このように世界的に見て我が国の経済力は、この30年間に明らかに弱体化しました。そして問題はこの間に、中央・地方政府を併せた債務が800~900兆円近く増加し、今や1300~1400兆円へと世界最悪レベルに達していることです。その要因として高齢化による社会保障費の増加や、大きな自然災害への対策もありました。
一方、家計が保有する金融資産はこの30年間に、約1000兆円増加し2300兆円に近づいています。これは見方によれば投入された政府支出が家計(並びに企業)に退蔵され、日本経済の基盤強化に繋がっていないと解釈できます。
今後は景気対策へのその場しのぎのバラマキではなく、思い切った規制緩和や、創造的技術革新のための人材育成(教育)、そしてデジタル化の促進、それに中小企業の再編・淘汰を柱とする構造改革と生産性向上、リスキリングによる労働力の高度化・流動化、等を重視すべきと考えます。

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